カートは空です。
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中国音楽が日本などの周辺諸国に大きな影響を及ぼしてきたことは贅言を要さない。しかし我々の中国音楽への理解は極めて典型化されたものであり、換言すれば、それは中国音楽の一面に過ぎなかった。中国音楽が日本文学にもたらした複雑な文化的、歴史的、制度的なプロセスや、音楽家・文学者双方の意図から生ずる「再創造」の営みを検討するとともに、『うつほ物語』などの王朝物語に見える、当時の人々の交流や信仰などとも関わり合う、東アジアの音楽文化の様相を考察する。
原豊二(はら・とよじ)米子工業高等専門学校准教授。博士(文学)。日本中古文学専攻。著書に『源氏物語と王朝文化誌史』(勉誠出版、 2006年)がある。劉暁峰(りゅう・ぎょうほう)清華大学歴史系教授。専門は日本歴史、民俗学。著書に『東アジアの時間─歳時文化の比較研究』(中華書局、 2007年)、『日本人の顔』(中国中央編訳出版社、2007年)、『端午』(中国三聯書店、2009年)などがある。