テキストトイメージヲアム

テキストとイメージを編む

出版文化の日仏交流
林洋子/クリストフ・マルケ 編
ISBN 978-4-585-27021-8 Cコード 3070
刊行年月 2015年2月 判型・製本 A5判・上製 352 頁
キーワード 出版,美術,文化史,交流史,西洋,明治,近代

定価:5,280円
(本体 4,800円) ポイント:144pt

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書籍の詳細
書物と人が織りなす日仏文化交流史

19世紀後半から両大戦間、出版文化は日本とフランスを繋いでいた。
作家や編集者、アートディレクターなどの人びとの営み、そして印刷技術や製本方式、装幀などの「モノ」の文化。
テキストとイメージが協働する挿絵本という「場」を舞台に、「人」「モノ」の織りなす日仏の文化交流を多角的視点より描き出す。

 

 

目次
カラー口絵

イントロダクション:日本とフランスの「出版文化」の波打ち際で 林洋子

「画文交響」のたのしみ 芳賀徹
日本からの教示─一八八九年から一九三九年までのフランスにおける多色木版画 フィリップ・ル・ストウム

第Ⅰ部 媒体(メディア)としての書物─文化を越えて結ぶかたち
十九世紀における日本の出板文化 髙木元
和装本から洋装本へ─その試行錯誤と展開 岩切信一郎
日本近代諷刺画成立へのフランスからの影響 清水勲
明治半ばの欧文挿絵本出版状況─長谷川武次郎のちりめん本を中心に 大塚奈奈絵
十九世紀後半のフランスにおける日本関連出版物と挿絵─鳥というモティーフが担った役割 吉川順子
【コラム】イタリアへの波及─『蜻蛉集』と「西洋うた」 尾崎有紀子

第Ⅱ部 場(ミリュー)としての本─テキスト、イメージ、媒介者
挿絵本研究のための覚書─日仏間の相互影響研究を目指して 小林茂
「演出家ならぬ本出家」P=J・エッツェル─ジュール・ヴェルヌと編集者の協働関係における演劇の比喩をめぐって 石橋正孝
テキストを「演出」する─ジャン=ガブリエル・ダラニェスと挿絵本出版:ジャン・ジロドゥとの協働を例に 間瀬幸江
変容する都市の肖像─『タブロー・ド・パリ』から『パリ1937』へ 柳沢弥生
挿絵本『ダフニスとクロエ』に見るギリシャ回帰と古典主義 佐藤幸宏
【コラム】『黄金の聖書』と藤田嗣治 片野道子

あとがきにかえて:
出版文化の日仏交流をふりかえって クリストフ・マルケ

本書関連年表 近藤和都(編)

執筆者紹介
プロフィール

林洋子(はやし・ようこ)
1965年、京都生まれ。大原美術館特別研究員、京都造形芸術大学教員。東京都現代美術館を経て現職。専門は近現代美術史、日仏文化交流史、美術評論。
著作に『藤田嗣治 作品をひらく』(名古屋大学出版会、2008)、『藤田嗣治 本のしごと』(集英社新書、2011)などがある。展覧会監修に『藤田嗣治と愛書都市パリ』(2012、北海道立近代美術館ほか)などがある。

クリストフ・マルケ(Christophe Marquet)
1965年、フランス生まれ。フランス国立東洋言語文化大学(INALCO)教授、日仏会館フランス事務所・日本研究センター所長。日本近世・近代美術史と出版文化史を専門。
日本語の編著に『絵を読む、文字を見る―日本文学とその媒体』(「アジア遊学」109号、勉誠出版、2008年)、『日本の文字文化を探る―日仏の視点から』(勉誠出版、2010年)などがある。
フランスでは光琳、北斎、歌麿、鍬形蕙斎、河鍋暁斎など数多くの江戸時代の画譜の翻訳と復刻を出版。2015年に大津絵についてフランスで著書著書『Ōtsu-e : imagerie populaire du Japon』を出版する予定。
http://marquet.inalco.free.fr/

書評・関連書等

・「東京新聞」(2015年3月22日)にて、本書の紹介文が掲載されました。
・「出版ニュース」(2015.4上旬号)の「情報区」欄にて、本書の紹介文が掲載されました。
・「北海道新聞(夕刊)」(2015年5月13日)にて、本書の紹介文が掲載されました。(評者:中村三春(北海道大学))

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