チュウゴクノメイサクヲドウヨムカ

中国の名作をどう読むか

真の主題を見極める
下定雅弘 著
ISBN 978-4-585-39048-0 Cコード 1098
刊行年月 2025年5月 判型・製本 A5判・並製 592 頁
キーワード 古典,中国,東アジア

定価:6,600円
(本体 6,000円) ポイント:180pt

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書籍の詳細
作者の思考と心情にせまる

中国の古典には、王羲之「蘭亭序」、杜甫「感時花濺涙、恨別鳥驚心」、沈既済『枕中記』、李商隠「夕陽無限好、只是近黄昏」など名作・名句と言われながら、その主題や解釈に議論があるものが少なくない。それら未解決の名作を取り上げ、あくまで原文に即しつつ、一字一句の典拠や作品の背景を究明し、あまたの議論に終止符を打つ。

好評を博した『中国古典をどう読むか――規範からの逸脱、規範への回帰』の姉妹版。

 

 

目次
はじめに

第一章  王羲之「蘭亭序」―死への恐れと悲しみ
第二章  陶淵明「飲酒二十首」―官界から田園へのはざまで
第三章  柳宗元の愚渓と謝霊運の始寧―わが園林への愛
第四章  杜甫「春望」の「感時花濺涙、恨別鳥驚心」―「花」も「鳥」も詩人と一つ
第五章  沈既済『枕中記』―幸せの鍵は欲をおさえることに
補 論  李公佐『南柯太守伝』―人生は不可知の何者かに操られている
第六章  『杜子春伝』―いかなる情よりも深い母の愛
第七章  白居易「琵琶引」―自分と女性と音楽への愛の結晶
第八章  白居易「燕子楼三首」―主人を亡くした妓女の悲哀への共鳴
第九章  李商隠「夕陽無限好、只是近黄昏」―「只是」は「しかし」か「ひたすら」か
第十章  李商隠「曲江」の「傷春」―時代の惨劇に関われない痛苦
第十一章 蘇東坡の酒―生涯のこよなき伴侶

あとがき
参考文献
初出一覧
プロフィール

下定雅弘(しもさだ・まさひろ)
岡山大学名誉教授。文学博士。日本杜甫学会顧問(前会長)。六朝及び唐代の詩人、陶淵明・杜甫・白楽天・柳宗元等を専門とする。
著書に『白楽天の愉悦―生きる叡智の輝き』(勉誠出版、2006年)、『柳宗元―逆境を生きぬいた美しき魂』(勉誠出版、2009年)、『白楽天』(角川ソフィア文庫、2010年)、『長恨歌―楊貴妃の魅力と魔力』(勉誠出版、2011年)、『柳宗元詩選』(岩波文庫、2011年)、『陶淵明と白楽天―生きる喜びを詠い続けた詩人』(角川選書、2012年)、『中唐文学研究論集』(中華書局、2014年)、『精選漢詩集―生きる喜びの歌』(ちくま新書、2014年)、『白居易と柳宗元 混迷の世に生の讃歌を』(岩波現代全書、2015年)、『寂嚴和上漢詩集 松石余稿訳注』(宝島寺古文書研究会読解・下定雅弘監修、宝嶋寺、2017年)、『中国古典をどう読むか―規範からの逸脱、規範への回帰』(勉誠社、2023年)。
共編著に『東北アジアの幸福観』(荒木勝・山口和子と共編著、岡山大学出版会、2011年)、『宮内庁所蔵 那波本 白氏文集』一~四(神鷹徳治と共編、勉誠出版、2012年)、『杜甫全詩訳注』一~四(松原朗と共編訳、講談社学術文庫、2016年)、『朝鮮漢詩古今名作選』(豊福健二と共編著、勉誠出版、2019年)などがある。

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