中国には漢民族の他に、現在認められているだけでも55 の少数民族がいる。
その中で、漢族に次いで二番目に多いのが、1854万人もの人口を有する壮(チワン)族である。
80万年以上前から遺跡によりその存在が確認され、独自の文字・言語・習俗を持つ壮族の特徴については、日本ではほとんど知られていない。
本書はこれまで中国で発表された、壮族に関わる代表的な論文を翻訳。壮語から見る稲作発生地域の検証、壮族に伝わる神話、独自の体系を持つ壮語や壮文字など、様々な視点から壮族を紹介・検証する。
詳細な訳者注も付し、理解を助けるための図版も多数掲載。
日本の教科書やガイドブックには載っていない中国の少数民族の姿を、中国人研究者の目を通して知ることができる画期的な一冊。