アジア遊学311
チュウゴクガクヲツラヌクシザ

中国学術を貫く視座

章学誠の可能性
古勝隆一・竹元規人 編
ISBN 978-4-585-32557-4 Cコード 1322
刊行年月 2025年11月 判型・製本 A5判・並製 288 頁
キーワード 思想,中国,東アジア

定価:3,520円
(本体 3,200円) ポイント:96pt

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書籍の詳細

中国学術は、その歴史において、経学・語学・史学・諸子学・文学・医学・天文学、その他の学術を含んできた。
それだけに、学術はそれぞれの専門に分化しがちでもあった。
しかし、清朝中期に、そのような細分化をよしとせず、あらゆる歴史的な事象を貫通する「通」という発想のもと、学術・思想・書物・歴史・文学をとらえ直そうとした「変わった学者」が登場した――「章学誠」(一七三八〜一八〇二)である。
その構想を書き著した『文史通義』をはじめとするテクストを詳細に読み解くことで、その思想を育んだ様々な脈絡、章学誠の学説・思想の同時代的意義、また、その学説が後世に与えた影響や展開について、多角的な視点から論究する。
章学誠が後世に向けて発したメッセージを受けとめ、その意義と可能性を問う。

 

 

目次
序言 古勝隆一
総論――いま章学誠を読む 古勝隆一

第一部 章学誠に至る軌跡
史・史意・史記―周の史官と漢の史官 藤井律之
史記学前史――章学誠の史学に寄せて 李弘喆
『書』に定体無し――『尚書』と『春秋』の関係をめぐる章学誠の洞察 内山直樹
古書の篇巻問題とは何か――章学誠の篇巻論の再検討を通じて 王孫涵之
朱陸篇の周辺――章学誠と清代朱子学・陽明学 福谷彬

第二部 章学誠とその時代
章学誠〈文史・校讎の学〉における著述の意義 渡邉大
章学誠の『説文』観 白石將人
俗文学への認識から見る章学誠の袁枚批判 楊維公
章学誠の文章論と読者への意識――『文史通義』内篇「俗嫌」を中心として 永田知之
書簡から見る章学誠の生涯と交友 陳佑真
章学誠の六経皆史説――理論装置としての「六経皆史」状況の設定 新田元規

第三部 章学誠の展開可能性
張爾田『史微』における章学誠の継承と批判 竹元規人
劉咸炘と章学誠 田尻健太
中国と日本における「源流」観――章学誠を手がかりに 重田みち
章学誠における知の主観的契機について 白須裕之
過去と現在の間にある「道」――章学誠と伊藤東涯 山口智弘
章学誠目録学管見 宇佐美文理

あとがき 竹元規人
プロフィール

古勝隆一(こがち・りゅういち)
都大学人文科学研究所教授。専門は中国古典学。主な著書に『漢唐注疏写本研究』(社会科学文献出版社、2021年)、『中国中古の学術と社会』(法藏館、2021年)、『中国注疏講義―経書の巻』(法藏館、2022年)などがある。

竹元規人(たけもと・のりひと)
福岡教育大学教育学部准教授。専門は中国近現代思想史。主な著書・論文に「「新文化運動」と「文化主義」―日中間の思想の同時代性と差異」(『中国研究月報』七四巻五号、2020年)、「戴震と章学誠と胡適―乾嘉への接続と学術史の文脈」(陶徳民・吾妻重二・永田知之編『中国学の近代的展開と日中交渉』アジア遊学292、勉誠社、2023年)、『史学の近代中国 顧頡剛と胡適・傅斯年の思想と行動』(法藏館、2025年)などがある。

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