〈舞台裏〉からミステリーを照射する
ミステリー作家たちが残した日記・書簡・メモ・草稿・構想ノートなどの自筆資料、作品の執筆に用いた文献。これらの諸資料を読み解き、文学研究の方法を駆使してミステリーの生成過程を追うこと、敢えて作者が仕かけた思索の沼に嵌りながら新たな謎を作りだしていくこと、――それは創作の舞台裏から作品を照らすことで、さらなる迷宮世界を構築することでもある。
その作品のアイディアはどこからきているのか。
より巧妙な仕かけに見せるために、作者たちはどのような工夫を凝らしているのか。
ミステリーにおけるオリジナリティはどのように発揮されているのか。
小酒井不木、岩田準一、江戸川乱歩、中島河太郎、小栗虫太郎、夢野久作、山田風太郎、久生十蘭、横溝正史、夏樹静子などのミステリー作家研究のほか、『あしたのジョー』をミステリーとして読む論考、現代の「本格ミステリの作り方」を解き明かす論考も収録し、資料からミステリーを読む面白さと可能性を探る。