階上階下すべて書にして――
古典籍・古文書・短冊など、七〇〇〇点・二万冊を所蔵し、国文学関連の資料庫として屈指の規模である「正宗文庫」。
これらの資料を集めたのが、国文学者にして歌人である正宗敦夫(まさむね・あつお)(一八八一~一九五八)である。
備前から出ることなく万葉集研究に打ち込んだ敦夫は、印刷機を購入して短歌雑誌を発行したり、埋もれた歌人の発掘に取り組んだりと精力的に活動を続け、与謝野寛・晶子夫妻とともに一九二五年に「日本古典全集」を刊行、三一年には、現在も万葉集研究に必須とされる「万葉集総索引」をまとめた。
彼の蒐集した資料は今なお重要な研究資源であり、文化資源でもある。
通常一般公開していない、正宗文庫の資料群を余すところなく詳細に解説。
正宗文庫の魅力に迫るとともに、歌人・国文学者正宗敦夫の多様な活動の実態を掘り起こす。