カートは空です。
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蘇北の田舎から上海に出てきた18歳のヒロイン富萍が、家政婦をしながら暮らすうちに都会の生活に慣れ、自立して幸福をつかむまでを描く。上海の下層民とりわけ地方出身者の日常、出身地や居住地域による差別、祖母や叔父の世代と富萍の世代の結婚観・人生観の違いなどが主要なテーマとなっている。ほかに短篇3作を収録。
王安憶(ワンアンイー/Wang Anyi)1954年、南京生まれ。最初は下放体験を描く作家として出発。中篇『小鮑荘』(1985)は、「ルーツ探究の文学」(中国伝統文化に根ざした文学創作)の成果として高い評価を得た。90年代以降は、長年暮らしてきた上海の市民生活を描く作品に定評がある。現在は中国作家協会副主席、上海作家協会主席の要職にあるほか、復旦大学教授の肩書も持つ。