チベットゲンダイブンガクノアケボノ ココニモハゲシクヤクドウスルイキタシンゾウガアル

チベット現代文学の曙 ここにも激しく躍動する生きた心臓がある

トンドゥプジャ 著/チベット文学研究会 編訳
ISBN 978-4-585-29044-5 Cコード 0097
刊行年月 2012年11月 判型・製本 四六判・上製 480 頁
キーワード アジア

定価:3,960円
(本体 3,600円) ポイント:108pt

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書籍の詳細
ぼくの耳に今なお響きわたっているのは―

チベットではじめて現代文学を生みだし、若くして自ら命を絶った伝説の作家、トンドゥプジャ。人びとの喜びや哀しみを丹念に描きだすその作品群は、物語を語る情熱と創造の気概にあふれ、世界でも類を見ない瑞々しさにあふれている。
作品世界を理解するための詳細な解説、伝記を付し、その主要作品を日本ではじめて紹介する。

 

 

目次
〈作品〉
ペンツォ/ドゥクツォ/語り部/頑固爺さん/ドンタクタン/化身/霜にうたれた花/悲しみ/青春の滝/恩知らずの嫁/骨肉の情/細い道/ツルティム・ジャンツォ/ここにも激しく躍動する生きた心臓がある/愛の高波

〈解説〉
トンドゥプジャ作品解説/チベット現代文学概説/あとがき

〈付録〉
伝記/トンドゥプジャ作品とチベットのことわざ/地図/読書案内/トンドゥプジャ年譜/著者紹介・訳者紹介
プロフィール

トンドゥプジャ
1953年、東北チベットのアムド地方(青海省黄南チベット族自治州チェンザ県)に生まれる。ラジオ局勤務、教職を経て、1981年、処女作『曙光』を青海人民出版社より出版。仏教文化伝統の縛りが極めて強かったチベット文学に斬新な口語的表現を導入して、男女の感情の機微や普通の人々の心のうつろいを描き、チベット文学界に新風を巻き起こした。とりわけ中国という新体制下の社会を写実的に描いた小説をチベット語で書いた最初の作家である。1985年、32歳で自殺。
その死からすでに四半世紀がすぎた今なおその存在感は薄れることなく、チベット現代文学の祖として崇められている。1997年には『トンドゥプジャ著作集』(全6巻)が出版された。

チベット文学研究会
チベットの現代文学を愛好するメンバーによって結成。2004年頃から翻訳活動を開始。2008年からは雑誌『火鍋子』にて毎号チベット現代文学の作品を翻訳・紹介している。

星泉(ほし・いずみ)
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所・准教授。
著書に『現代チベット語動詞辞典(ラサ方言)』(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所)など。チベット映画の翻訳、字幕監修なども手がける。2006年に第2回日本学術振興会賞および第2回日本学士院学術奨励賞を受賞。

大川謙作(おおかわ・けんさく)
東京大学大学院総合文化研究科学術研究員(東京大学東洋文化研究所)。
著作に「欺瞞と外部性:チベット現代作家トンドゥプジャの精読から」(『中国における社会主義的近代化』(勉誠出版))など。2008年に第4回太田勝洪記念中国学術研究賞を受賞。

海老原志穂(えびはら・しほ)
日本学術振興会特別研究員(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所)。
著書に『アムド・チベット語の発音と会話』(東京外国語大学アジ ア・アフリカ言語文化研究所)、「トゥンドゥプゲとアムド地方のことわざ」(『火鍋子』)など。

三浦順子(みうら・じゅんこ)
チベット関係の翻訳に長年携わる。
訳書に『ダライ・ラマ 宗教を語る』(春秋社)、『チベット政治史』シャカッパ(亜細亜大学アジア文化研究 所)、『チベットの娘』R・D・タリン(中央公論新社)、『ダライ・ラマ 宗教を越えて』(サンガ)など。

書評・関連書等

・「信濃毎日新聞」(2013年1月6日)にて、本書の書評が掲載されました。(評者:小長谷有紀(国立民族学博物館教授))
・「国際貿易」(2013年1月29日)にて、本書の紹介文が掲載されました。
・「毎日新聞」(2013年2月17日)にて、本書の書評が掲載されました。
・「京都新聞」(2013年2月17日)にて、本書の書評が掲載されました。(評者:渡辺一枝(作家))
・「ハリーナ」(2013年5月号)にて、本書の書評が掲載されました。(評者:大野和興(日刊ベリタ編集長))
・「日本経済新聞」(2013年5月20日)にて、本書の紹介文が大きく掲載されました。

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