カンゼンバン ニンゲンノウンメイイチ

完全版 人間の運命1

次郎の生いたち
芹沢光治良 著
ISBN 978-4-585-29530-3 Cコード 0093
刊行年月 2013年1月 判型・製本 四六判・並製 368 頁
キーワード 近現代

定価:1,980円
(本体 1,800円) ポイント:54pt

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書籍の詳細
世界に誇る大長編・大傑作の完全版を初公開!

明治・大正・昭和の激動の世紀を、日本人はいかに苦難と苦悩の道を歩み、希望をつないできたか。時代の証言として描く近代史。
序章となる本巻では、主人公・森次郎の誕生から、幼い頃の日々を描く。叔父・史郎の死を遠因に信仰に目覚め、全財産を捧げた父・常造は、母・兄とともに伝道師となり村を出る。残された次郎は、祖父母と2人の若い叔母と5人、苦しい生活を送ることになるが、貧困・悲哀・孤独は、次郎に幼い内から「人生とは何か?」について考えさせることになる…。

*本巻「人間の運命1 次郎の生いたち―序巻」は、新潮社版『芹澤光治良作品集』第七巻「海に鳴る碑/愛と知と悲しみと」(昭49・2刊)所収の「海に鳴る碑」の著者訂正本を底本にしている。その目次頁に〈次郎の生いたち 改題〉、〈「人間の運命」第一巻とする〉と書き入れがある。また、タイトル頁には〈海に鳴る碑〉を消して、〈人間の運命 序章〉〈次郎の誕生と幼年時代〉とある。本巻ではこれらを参考に、全体の構成から巻名を定めた。なお、作品末尾に〈一九八五年八月十日 三度目の訂正 於山小屋〉とあり、丁寧に作品が点検されたことと、軽井沢の別荘で最終作業を終えたことが判る。【編集付記より抜粋】

 

 

プロフィール

芹沢光治良(せりざわ・こうじろう)
明治29年(1896)5月4日、沼津市我入道に生まれる。
楊原小学校から県立沼津中学校、第一高等学校を経て、東京帝国大学経済学部に入学。在学中、高等文官試験に合格し、卒業後、農商務省に入ったが、官を辞してフランスに留学。滞在中結核に冒され、スイスで療養生活を送り、帰国後書いた「ブルジョア」が『改造』に当選して作家生活に入る。
「巴里に死す」「サムライの末裔」でフランス友好国際大賞、代表作である大河小説「人間の運命」で芸術院賞を受賞。また、多年にわたるユネスコ運動の功績で勳三等瑞宝章を、さらに日仏文化交流の功労者としてフランス政府からコマンドール章を受ける。
日本ペンクラブ会長、文芸家協会理事、ノーベル賞推薦委員、日本芸術院会員などを歴任。昭和55年(1980)沼津市名誉市民となる。89歳より「神の微笑」から始まる神シリーズ8冊を執筆。
平成5年(1993)3月23日、東京都中野区東中野の自宅において逝去(享年96歳)。

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