シテンノウジエンギノケンキュウ

『四天王寺縁起』の研究

聖徳太子の縁起とその周辺
榊原史子 著
ISBN 978-4-585-22051-0 Cコード 3021
刊行年月 2013年3月 判型・製本 A5判・上製 332 頁
キーワード 仏教,日本史,古代

定価:8,800円
(本体 8,000円) ポイント:240pt

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書籍の詳細
聖徳太子信仰の形成と普及の謎に迫る!

聖徳太子の事績や四天王寺の縁起・資財等が詳細に記され、長らく太子自筆の書として古代から中世にかけて人々の注目を集めてきた『四天王寺縁起』。
『四天王寺縁起』は、だれがなぜ作成し、いかにして伝えられたのか。
本書は、多数の写本をもつ『四天王寺縁起』を歴史史料として扱い、諸本の本文を丁寧に吟味する手続きを示して成立時期や伝受内容、縁起が後世に与えた影響を明らかにする。
また『聖徳太子伝暦』『天王寺秘決』「聖徳太子未来記」など関係の深い諸史料との比較検討を通じて、縁起作成と聖徳太子信仰の普及に関わった人々をあぶり出し、古代中世の社会状況や信仰の実態を解明する。

 

 

目次
序 章―研究史の概要と本書の課題―

第一部 『四天王寺縁起』の検討
第一章 『四天王寺縁起』の原本と写本
 はじめに
 第一節 原本の確認
 第二節 写本の現存状況
 第三節 写本の分類と書写過程
 おわりに
第二章 『四天王寺縁起』の出現と成立年代
 はじめに
 第一節 『四天王寺縁起』を引用した諸史料
 第二節 四天王寺の参詣者たち
 第三節 寛弘四年における出現
 おわりに
第三章 『四天王寺縁起』の諸側面
 はじめに
 第一節 縁起書としての『四天王寺縁起』
 第二節 資財帳としての『四天王寺縁起』
 第三節 聖徳太子伝としての『四天王寺縁起』
 おわりに
第四章 『四天王寺縁起』成立の背景
 はじめに
 第一節 『四天王寺縁起』作成の目的
 第二節 寛弘四年当時の四天王寺
 第三節 藤原道長と『四天王寺縁起』
 おわりに

第二部 『四天王寺縁起』の周辺
第一章 『日本書紀』に見える四天王寺関係記事の検討
 はじめに
 第一節 四天王寺関係記事と建立年代についての諸説
 第二節 考古学の成果と諸説の矛盾点
 第三節 四天王寺号の成立
 第四節 『日本書紀』の編纂と四天王寺の関係記事
 第五節 四天王寺の創建説話
 おわりに
第二章 四天王寺の「障子伝」―「七代記」小考―
 はじめに
 第一節 四天王寺の聖徳太子伝
 第二節 「七代記」との関係
 第三節 絵解きの伝統と『四天王寺縁起』への展開
 おわりに
第三章 『四天王寺縁起』と『聖武天皇勅書銅板』
 はじめに
 第一節 両者の対比
 第二節 聖武天皇聖徳太子後身説と両者の前後関係
 おわりに
第四章 『聖徳太子伝暦』と『四天王寺縁起』
 はじめに
 第一節 『聖徳太子伝暦』と「本願縁起」
 第二節 「本願縁起」と『四天王寺縁起』
 第三節 『聖徳太子伝暦』武田科学振興財団所蔵本の奥書
 おわりに
第五章 『聖徳太子伝暦』の成立と「四節文」
 はじめに
 第一節 「四節文」の内容
 第二節 「四節文」と「七代記」
 第三節 「四節文」と『四天王寺縁起』
 第四節 現行本『聖徳太子伝暦』の成立
 おわりに
第六章 『天王寺秘決』の成立と『太子伝古今目録抄』への展開―四天王寺と法隆寺の対抗意識―
 はじめに
 第一節 『天王寺秘決』の内容とその成立
 第二節 『太子伝古今目録抄』の成立と『天王寺秘決』
 おわりに
第七章 平安時代初期の四天王寺と広隆寺―『天王寺秘決』の検討―
 はじめに
 第一節 「蜂岡寺持戒僧事」
 第二節 平安時代初期の広隆寺
 第三節 十禅師
 おわりに
第八章 「聖徳太子未来記」への発展
 はじめに
 第一節 「聖徳太子未来記」
 第二節 四天王寺との関係
 おわりに
終 章

あとがき
索引
プロフィール

榊原史子(さかきばら・ふみこ)
1971年、東京都生まれ。日本女子大学大学院文学研究科博士課程前期修了、成城大学大学院文学研究科博士課程後期単位取得退学。博士(文学)。現在、成城大学民俗学研究所研究員。専攻は日本古代史。
おもな著作に「『四天王寺縁起』の原本と写本」(『ヒストリア』176、2001年9月)、「『聖徳太子伝暦』の成立と「四節文」」(『日本歴史』741、2010年2月)、「『天王寺秘決』の成立と『太子伝古今目録抄』への展開―四天王寺と法隆寺の対抗意識」(『ヒストリア』224、2011年2月)など。

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