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「中華全省われが一番“狂”なり」(莫言)疫病神と呼ばれる整形“美人”が饒舌に語る、国境沿いの村で繰り広げられた己の出生譚とは―。初邦訳作品を含む全11篇を収めた日本オリジナルのアンソロジー。
莫言(ばく・げん、モー・イエン)1955年、山東省高密市の農村で生まれる。1981年、作家としてデビュー。1985年、『透明的紅羅卜』(邦訳『透明な人参』)が注目される。高密東北郷を舞台に祖父、祖母の生きた時代を描いた『紅高粱』(1986年、邦訳『赤い高粱』)が張芸謀監督によって映画化され、ベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞。独特な手法で中国農村を時には幻想的に、時には残酷に、時には叙情的に、時には繊細に、時にはユーモラスに描く。2006年、福岡アジア文化賞を受賞。2011年、『蛙』(邦訳『蛙鳴』)で茅盾文学賞を受賞。2012年には、「幻覚的なリアリズムによって民話、歴史、現代を融合させた」としてノーベル文学賞を受賞。主な作品に『酒国』、『豊乳肥臀』、『四十一炮』、『牛』などがある。邦訳多数あり。立松昇一(たてまつ・しょういち)1948年生まれ。岐阜県出身、拓殖大学外国語学部教授。専門は中国近現代文学、中国文化史。訳書(共訳)に、『現代中国文学短編選』(鼎書房、2006年)、劉慶邦『神木 ある炭鉱のできごと』(勉誠出版、2012年)など。『中国現代文学』(ひつじ書房、2008年創刊)で莫言、蘇童、畢飛宇、劉慶邦などの翻訳を行っている。