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対外関係史を軸に、日本史・東洋史、また古代・中世・近世という枠組を越えて大きな業績を残した歴史学者・石井正敏。虚心に史料と対峙し、史料そのものの声を真摯に十全に記述するその方法論は、歴史学の根本を示し、また、時代区分や領域という既存の枠組みを問い直すものであった。石井正敏の歴史学はわれわれに、そして今後の歴史学に何を残し、伝えているのか―。碩学の学的遺産と第一線の研究者との対話から、石井正敏の学問の位置、そしてその継承と展開について多角的に論じる。
荒野泰典(あらの・やすのり)立教大学名誉教授。専門は近世日本史、近世国際関係史。主な著書に『近世日本と東アジア』(東京大学出版会、1988年)、『アジアのなかの日本史Ⅰ~Ⅵ』(編著、東京大学出版会、1992~93年)、『日本の対外関係1~7』(編著、吉川弘文館、2010~13年)、『近世日本の国際関係と言説』(編著、淡水社、2017年)などがある。川越泰博(かわごえ・やすひろ)中央大学名誉教授。専門は中国近世史。主な著書に『明代長城の群像』(汲古書院、2003年)、『モンゴルに拉致された中国皇帝』(研文出版、2003年)、『永楽政権成立史の研究』(汲古書院、2016年)などがある。鈴木靖民(すずき・やすたみ)横浜市歴史博物館館長、國學院大學名誉教授。専門は日本古代史・東アジア古代史。主な著書に『日本の古代国家形成と東アジア』(吉川弘文館、2011年)、『倭国史の展開と東アジア』(岩波書店、2012年)、『日本古代の周縁史』(岩波書店、2014年)、『古代日本の東アジア交流史』(勉誠出版、2016年)、『日本古代交流史入門』(共編著、勉誠出版、2017年)などがある。村井章介(むらい・しょうすけ)立正大学文学部教授、東京大学名誉教授、日本古文書学会会長。専門は東アジア文化交流史。主な著書に『東アジア往還―漢詩と外交』(朝日新聞社、1995年)、『日本中世境界史論』(岩波書店、2013年)、『日本中世の異文化接触』(東京大学出版会、2013年)、『中世史料との対話』(吉川弘文館、2014年)などがある。