カートは空です。
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天保改革期に臼杵藩士が、参勤交代で江戸勤番の間に書き残した一年分の日記史料の全編を初めて活字化。一四〇点に及ぶ挿絵とともに紹介する。四十代にして初めて見る江戸の様子や、自分の仕事ぶりを息子たちに伝える生き生きと愛らしい絵入りの詳細な記述は、研究史料として稀有なだけでなく、専門家以外の読者にも江戸の人々を身近に感じさせる興味深い史料である。外からやってきた勤番武士による江戸の報告は、地元の人間が発信するものとは異なる新たな江戸像を示すものとなるだろう。
岩淵令治(いわぶち・れいじ)1966年生まれ。学習院女子大学国際文化交流学部教授。専門は日本近世都市史。著書に『江戸武家地の研究』(塙書房、2004年)、『史跡で読む日本の歴史』9(編著、吉川弘文館、2010年)、『「江戸」の発見と商品化』(編著、岩田書院、2014年)、論文に「巨大都市江戸における居住者と自己認識」(渡辺浩一/ヴァネッサ・ハーディング編『自己語りと記憶の比較都市史』勉誠出版、2015年)、「江戸における鷹匠の交流」(福田千鶴・武井弘一編『鷹狩の日本史』勉誠出版、2021年)などがある。