世界中に散在する東アジアの美術作品を体系的に捉えるためには、画像はもとより、その所在情報、そして、その作品を含むコレクションの来歴などを、アーカイヴとして整備し、研究のプラットフォームを作り上げていくことが不可欠である。
半世紀に及ぶ継続事業を経て、近年三編の完結を見た『中国絵画総合図録』は、その先駆的な営為として特筆すべきものである。
アーカイヴ構築のために先人はどのように考え、行動してきたのか。これからのデジタル・アーカイヴの時代にどのように対応し、展開していくのか。
東アジア美術研究を領導する豪華執筆陣による論考を収載、コレクションとアーカイヴの連環がもたらす最先端の研究視角を鮮やかに提示する。