チャブンカシニソッタチュウゴクチャワンノコウコガク

茶文化史にそった中国茶碗の考古学

水上和則 著
ISBN 978-4-585-03235-9 Cコード 1020
刊行年月 2009年5月 判型・製本 A5判・並製 280 頁
キーワード 考古,中国,交流史,文化史,美術

定価:3,850円
(本体 3,500円) ポイント:105pt

 品切 
書評掲載

「読売新聞」(2010年1月1日)で紹介されました。
「陶説」(2010年1月1日号)〈新刊紹介〉欄で紹介されました。(評者:小野公久)
書籍の詳細

中国茶が日本人の生活に浸透して久しい。
だが、これまでは茶葉について語られることが多く、茶碗に関する言及はなかった。
本書では、陸羽が記した『茶経』にみられる茶碗を例に、茶と茶碗の歴史と変遷を明らかにする。
また、日本への伝来にも触れ、瓷址や窯跡にみる歴史的事実を検証。研究の最前線を示す。
写真・図表多数掲載。

 

 

目次
第1章 遣唐使の見た中国の茶
 一  玄宗皇帝と開元の治―日本に茶がもたらされた時代―
 二  遣唐使の時代の日中交流―『井真成』の墓誌
 三  封演『封氏聞見記』に書かれた茶
 四  遣唐使により日本にもたらされた茶

第2章 中国茶のバイブル『茶経』
 一 『茶経』
 二  ●(茶碗)について
 三 『茶経』に記された窯場窯址から出土するもの

第3章 白居易邸宅跡出土の白瓷
 一  晩唐代知識人白居易
 二  白居易故居出土の茶器
 三  その他唐代遺址出土の茶具茶碗
 四 『窯』―天下貴賎なく用いられた白瓷碗

第4章 『茶経』に記された甌
 一 白瓷の名窯、●州窯の発見
 二 河北州窯の出土品
 三 ふたたび『茶経』●の条、甌について
 四 唐代茶碗の推移

第5章 法門寺出土の秘色瓷と茶具
 一 唐代高級青瓷の越窯秘色瓷とは
 二 陝西省法門寺宝塔の倒壊
 三 宝塔地下宮より多数の茶道具出土と秘色青瓷発見
 四 秘色とは何か、秘色瓷の伝統

第6章 秘色瓷を生産した窯
 一 晩唐代秘色瓷生産窯の所在を追う
 二 墓碑に記された貢窯
 三 童兆良『上林窯工』による「咸通十三年季春」瓷片
 四 五代・宋代の秘色瓷器について

第7章 宋代における喫茶の流行と名窯
 一 唐の滅亡と宋の建国
 二 都市の商業活動からみた宋という時代
 三 北宋の首都開封の繁栄
 四 夢の都、張擇端《清明上河図》
 五 銭で購われた平和
 六 宋代の喫茶の特徴
 七 宋代留学僧の時代の茶
 八 宋代に隆盛する名窯

第8章 遼・金代壁画墓にみる喫茶風習
 一 遼国と宋国の関係
 二 陳国公主墓
 三 張家口市宣化区出土の壁画墓
 四 《文會圖》に描かれた喫茶
 五 遼国出土白瓷の生産窯

第9章 進●・供御の器
 一 天目碗と黒釉瓷碗
 二 天目碗の故郷は、福建省の建窯である
 三 厦門大学による水吉建窯の発掘調査
 四 青瓷斗笠碗から、黒釉斗笠碗、そして天目碗へ
 五 蔡襄『茶録』から徽宗『大観茶論』
 六 『進●・供御』の碗残片

第10章 宮廷専用茶園の北苑遺址と出土品
 一 北苑遺址の調査
 二 北苑から出土する櫛描紋青瓷碗と、その産地について
 三 櫛描紋青瓷が、茶碗であった可能性について
 四 南宋代地層出土の天目茶碗

第11章 海揚がりの貿易陶瓷
 一 黒石号沈没船の中国陶瓷
 二 泉州湾と沈没船
 三 新安沈没船の陶瓷器

第12章 茶の湯と茶碗
 一 中国茶碗の遷り変わりと伝来
 二 茶の湯と茶碗

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