アジア遊学149
ヒガシアジアノサブカルチャートワカモノノココロ

東アジアのサブカルチャーと若者のこころ

千野拓政 編
ISBN 978-4-585-22615-4 Cコード 1330
刊行年月 2012年2月 判型・製本 A5判・並製 208 頁
キーワード 現代社会,社会学,中国,東アジア

定価:2,200円
(本体 2,000円) ポイント:60pt

 品切 
書籍の詳細
ストーリーからキャラクターへ。テクストの読み方の大きな変化とは?

1980年代から90年代にかけて、中国をはじめアジアの都市を席巻したのは日本のアニメやマンガ、ゲームだった。
世界的に流行した「機器猫(ドラえもん)」「七龍珠(ドラゴンボール)」らのマンガ・アニメを知らないアジアの若者はほとんどいない。特に10代の若者の興味は、従来の純文学や大衆文学から、ライトノベルなどの新しいジャンルの作品に完全に移行しようとしている。だとすれば「若者の文学離れ」とは何なのだろうか。東アジアの諸都市で起こっている現象は、日本と共通しているのだろうか。
北京、上海、香港、台北、シンガポールでフィールド調査し、東アジアにおけるサブカルチャー受容の現在を報告する。

 

 

目次
まえがき―東アジアのミラクルワールドへようこそ 千野拓政

《各都市の調査報告》
東アジア諸都市のサブカルチャー志向と若者の心 千野拓政
【上海調査報告】テクストの読まれ方、創作と社会―村上春樹、ライトノベル、アニメ・マンガについて 姚瑶(齊藤遙訳)
【北京調査報告】都市の若者文化とキャラクター―北京におけるアニメ・マンガ、「軽小説」、同人活動の観察 趙楠(千野拓政)
【台湾調査報告】台湾におけるライトノベル、マンガ、および同人活動の広がりについて 陳柏青(張文菁訳)
【香港調査報告】黄微子(依田菜津子訳)
【シンガポール調査報告】ライトノベル、アニメ、同人活動について 陳宇昕、楊靜慧、潘惠盈(原田信訳)
【各領域の声】
インターネット時代の「青年文学」創作 趙長天(宮崎壮玄訳)
中国におけるコスプレ―キャラクター扮装の心と形について 喜喜(岩田和子訳)
魂の中の自分にCOSしている―上海のCOSPLAY 顧錚(池田智恵訳)
豊かな貧しさ 多元的な同質性―ニュー・メディア時代における文化状況(その一) 雷后立(石ますみ訳)
日本から中国へ―アニメ・マンガだけでなく 落落(山本律訳)
プロフィール

千野拓政(せんの・たくまさ)
早稲田大学文学学術院教授。専門は中国近現代文学・文化。
著訳書に、『囚われた文学者たち―毛沢東と胡風事件』(共訳、岩波書店、1996年)、『「規範」からの離脱』(共著、山川出版社、2006年)、『当代东亚城市——新的文化和意识形态』(共著、上海书店出版社、2008年)などがある。

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