アキナリゼンゴノチュウゴクハクワショウセツ

秋成前後の中国白話小説

徳田武 著
ISBN 978-4-585-29042-1 Cコード 3095
刊行年月 2012年10月 判型・製本 A5判・上製 440 頁
キーワード 評論,古典,中国,近世

定価:10,780円
(本体 9,800円) ポイント:294pt

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書籍の詳細

翻案小説集ともいえる『雨月物語』を始めとする上田秋成の文業は、いかにして生み出されたのか。秋成の漢文受容は、後世へどのように展開するのか。秋成と漢文学を軸に、近世の中国小説受容史を構築する。中国白話小説からの影響と相違を探ることで、日本文学とは何かをも照射する論文集。

*中国白話小説とは…
宋・元の時代に興り、明代に発達した、俗語・口語を用いた小説。『水滸伝』『平妖伝』などを代表作とする。上田秋成を始め、曲亭馬琴ら近世の文人たちへも大きな影響を与えた。

 

 

目次
はじめに

第一部 秋成出現の基盤
 第一章 近世小説と中国文学
 第二章 朱舜水と水戸の唐話学
 第三章 浅見絅斎と中国白話小説
 第四章 『明清軍談』と『虞初新志』「五人伝」
 第五章 初期読本における寓意性と文芸性
 第六章 読本論

第二部 秋成の漢文学
 第一章 上田秋成と『国府台戦記』―「修羅の時」の共用
 第二章 近世の烈女たちと「浅芽が宿」の宮木
 第三章 上田秋成と都賀庭鐘─無腸の号を廻って
 第四章 上田秋成と菅茶山
 第五章 上田秋成の「富士山説」
 第六章 上田秋成と本居宣長・小澤蘆庵
 第七章 細合半斎と上田秋成
 第八章 上田秋成の『藤簍冊子』自序と『五雑組』
 第九章 上田秋成の天保歌
 第十章 上田秋成と村瀬栲亭─『上田秋成全集』訂正
 第十一章 上田秋成と上田耕夫
 第十二章 上田秋成と蘇東坡
 第十三章 『春雨物語』「血かたびら」の一典拠
 第十四章 上田秋成と中井竹山

第三部 江戸後期から明治への漢文小説
 第一章 山本北山と中国艶情小説
 第二章 摩島松南・吉田松陰と『西湖佳話』
 第三章 曲亭馬琴『三遂平妖伝国字評』を評す
 第四章 南総里見八犬伝の因果律
 第五章 露伴と子規の『八犬伝』受容
 第六章 正岡子規と『八犬伝』
 第七章 中野逍遙の『八犬伝』漢詩
 第八章 王韜と高橋阿伝

おわりに
プロフィール

徳田武(とくだ・たけし)
1944年群馬県生まれ。明治大学法学部教授。早稲田大学第一文学部卒、1974年同大学院博士課程修了。文学博士。1979年に窪田空穂賞、1980年に日本古典文学会賞、1987年『日本近世小説と中国小説』で日本学士院賞を受賞。
主な編・著書に、『梁田蛻巌 秋山玉山』(江戸詩人選集2、岩波書店、1992、復刊、2002)、『近世説美少年録』1・2・3(新編日本古典文学全集、小学館、1999~2001)、『日本漢詩集』(新編日本古典文学全集、小学館、2002)、『近世日中文人交流史の研究』(研文出版、2004)、『幕末維新の文人と志士たち』(ゆまに書房、2008)、『朝彦親王伝』(勉誠出版、2011)、『秋月韋軒伝』(勉誠出版、2012)、『馬琴・京伝中編読本解題』(勉誠出版、2012)などがある。

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