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諸学に通暁し、「日本無双の才人」と評された一条兼良。古典学・有職学をもって権門と結びついた兼良の学問のあり方をその著述から探り、室町期の政治と文化の潮流のなかに捉えなおす。また、室町期の文化的特質である「伝統」と「革新」という相反する文化潮流の並存が、17世紀前半に至り統合・変容していく様子を論じ、史学史上における「室町」の位置づけを再検討する。
田村航(たむら・わたる)昭和43年東京都に生まれる。平成3年学習院大学文学部史学科卒業。平成12年学習院大学大学院人文科学研究科史学専攻博士後期課程修了。博士(史学)。現在、明治学院大学非常勤講師。主要著書・論文に、『日本古代史年表』(下)(東京堂出版、2008年、共著)、『看聞日記と中世文化』(森話社、2009年、共著)、「昭和十年代の西田哲学―柳田謙十郎の教学官就任問題をめぐって―」(『学習院大学史料館紀要』第12号、2003年、のち、学術文献刊行会編『日本史学年次別論文集』「近現代分冊」朋文出版、2006年に再録)、「禁闕の変における日野有光―後光厳院流と崇光院流の確執―」(『日本歴史』第751号、2010年)などがある。