アジア遊学210
レキシノナカノイセイソウ

歴史のなかの異性装

服藤早苗・新實五穂 編
ISBN 978-4-585-22676-5 Cコード 1330
刊行年月 2017年6月 判型・製本 A5判・並製 280 頁
キーワード 文化史,民俗学,世界史,日本史

定価:3,080円
(本体 2,800円) ポイント:84pt

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書籍の詳細

多様な異性装の世界

衣服は身分や男女差を可視化できる故に、国家や社会による規制の対象とされることが多かった。異性装はいかなる社会的・文化的背景のもとで行われてきたのか。
日本とアジアを中心に、ヨーロッパ、アフリカなど諸国の異性装の事例を歴史・服飾・美術・ジェンダーなどの側面から照射し、女神の帰依・男巫の儀礼から同性愛・トランスジェンダーまで、多様な女装・男装の実体や異性装禁止命令の変遷を明らかにする。

 

 

目次
序論 歴史の中の異性装 服藤早苗

Ⅰ 日本
平安朝の異性装―東豎子を中心に 服藤早苗
中世芸能の異性装 辻浩和 
◎コラム◎軍記絵のなかの異性装 山本陽子
宮廷物語における異性装 木村朗子 
日本近世における異性装の特徴とジェンダー 長島淳子
女装秘密結社「富貴クラブ」の実像 三橋順子 
女性装を通じた考察 安冨歩 

Ⅱ アジア
唐代宮女「男装」再考 矢田尚子 
異性装のヒロイン―花木蘭と祝英台 中山文 
韓国の男巫の異性装とその歴史的背景 浮葉正親 
衣と性の規範に抗う「異装」―インド、グジャラート州におけるヒジュラとしての生き方について 國弘暁子 
タイ近代服飾史にみるジェンダー 加納寛 
ブギス族におけるトランスジェンダー―ビッスとチャラバイ 伊藤眞 

Ⅲ ヨーロッパ・アフリカ
初期ビザンツの男装女性聖人―揺れるジェンダー規範 足立広明 
ヨーロッパ中世史における異性装 赤阪俊一 
英国近世における異性装―女性によるダブレット着用の諸相 松尾量子 
十九世紀フランスのモードと性差 新實五穂 
異性装の過去と現在―アフリカの事例 富永智津子 

あとがき 新實五穂
プロフィール

服藤早苗(ふくとう・さなえ)
埼玉学園大学名誉教授。専門は日本古代・平安時代史、ジェンダー史。
主な著書に『平安王朝社会のジェンダー』(校倉書房、2005年)、『古代・中世の芸能と買売春』(明石書店、2012年)、『平安王朝の五節舞姫・童女』(塙書房、2015年)などがある。

新實五穂(にいみ・いほ)
お茶の水女子大学基幹研究院人文科学系助教。専門は西洋服飾論。
主な著書に、『社会表象としての服飾―近代フランスにおける異性装の研究』(東信堂、2010年)、『フランス・モード史への招待』(共著、悠書館、2016年)などがある。

書評・関連書等

「ジェンダー史学」第15号(2019年10年20日発行)に書評が掲載されました。
 →評者:赤川学(東京大学)

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