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図書館の日本史

新藤透 著
ISBN 978-4-585-20067-3 Cコード 0000
刊行年月 2019年1月 判型・製本 四六判・並製 400 頁
キーワード 図書館,日本史

定価:3,960円
(本体 3,600円) ポイント:108pt

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書籍の詳細
日本人の隣にはいつも本があった―

図書館はどのように誕生したのか?
歴史上の人物たちはどのように本を楽しみ、収集し、利用したのか?
寄贈・貸出・閲覧はいつから行われていたのか?
古代から現代まで、日本の図書館の歴史をやさしく読み解く、はじめての概説書!

 

 

目次
序章 「図書館」とは何か

第一章 古代の図書館
 第一節 図書の誕生と図書館の起源
 文字の誕生/さまざまな記録メディア/「図書」とはなにか/「図書」の語義/紙の発明と伝播/日本への文字の伝来/日本への図書の伝来/
 第二節 飛鳥時代の図書館
 大和政権の成立/聖徳太子と図書館/最初の図書館?・「書屋」/大化改新と律令の編纂/図書館の誕生
 第三節 奈良時代の図書館
 律令体制の確立/図書寮/図書寮の職制/図書寮の貸出・閲覧/女官の図書出納係・書司/文殿/大学と国学/大学・国学の蔵書/情報センターとしての経蔵・写経所/蔵書家・橘奈良麻呂/蔵書家・石上宅嗣/古代の図書館・芸亭/宴会場としての図書館
 第四節 平安時代の図書館
 律令体制の崩壊/図書寮の衰退/大学・国学の衰退と私学の興隆/「先例重視」の貴族政治/菅原氏の紅梅殿/大江氏の江家文庫/安元の大火による書籍の被害/日記の家/藤原道長・頼通父子の漢籍蒐集/藤原頼長の書籍蒐集と読書/日記の家としての頼長の行動/頼長の「宇治文蔵」/『玉葉』にみる、九条兼実の図書の貸借
 第五節 古代の図書館のまとめ

第二章 中世の図書館
 第一節 鎌倉時代の図書館
 貴族の没落/貴族文庫/寺院と出版活動/寺院文庫/経蔵/武士の台頭/武家文庫/名越文庫/長井氏・二階堂氏の文庫/金沢文庫/北条実時の書籍蒐集/公開型図書館・金沢文庫/金沢文庫蔵書目録と蔵書印
 第二節 南北朝・室町・戦国の図書館
 動乱の時代/金沢文庫蔵書の散逸/金沢文庫は「図書館」か/足利学校/足利学校の再興と上杉憲実/初代庠主・快元/戦国期の足利学校/足利学校の教育/足利学校付属文庫の蔵書/豊臣秀次の庠主「拉致」事件/近世以降の足利学校/戦国大名と書籍蒐集/大内氏の出自と版図/歴代大内氏当主の書籍蒐集/山口殿中文庫/太田道灌の静勝軒文庫/戦国大名と貴族/日記の家・山科家/山科言国と『言国卿記』/図書の貸借/図書の購入/図書の書写/図書の借用・写本製作/『言国卿記』にみる図書を核とした交流/読書の庶民への普及
 第三節 中世の図書館のまとめ

第三章 近世の図書館
 第一節 将軍の図書館
 戦乱の終結と徳川家康の文治主義/徳川家康の愛読書/出版事業開始の理由/徳川家康の出版事業/駿河文庫・富士見亭文庫/書物奉行の創設と紅葉山への文庫移転/図書館としての紅葉山文庫/紅葉山文庫の「資料」/紅葉山文庫の「職員」/紅葉山文庫の「施設」/紅葉山文庫の「利用者」
 第二節 大名の図書館
 二つの大名文庫/加賀藩前田家の尊経閣/加賀藩校明倫堂の文庫/藩校付属文庫の「利用」/館内閲覧/館外貸し出し/蔵書の取り扱い方
 第三節 国学者の「図書館」
 国学の勃興と荷田春満の「図書館」計画/本居宣長の「図書館」建設計画/身分に捉われない「図書館」の必要性/神社文庫/伊勢神宮の文庫
 第四節 庶民の「図書館」と情報ネットワーク
 出版業の確立と発達/貸本屋の隆盛/設立者・羽田野敬雄/羽田八幡宮文庫設立の経緯/公家・大名からの書籍の寄贈/文庫の利用/羽田八幡宮文庫のまとめ/蔵書の家/蔵書の家・野中家/野中家蔵書の貸借/加賀国喜多家の蔵書貸借/和算家石黒信由/蔵書貸借/貸与した人物・貸与した書籍類/借用した人物・借用した書籍/石黒家の書籍購入ルート
 第五節 近世の図書館のまとめ

第四章 近代の図書館
 第一節 明治の図書館
 「近代」という時代/福沢諭吉のライブラリーの紹介/王政復古の大号令/日本初の近代図書館・「書籍館」/「図書館」の読み方/変転する東京図書館/図書館学者・田中稲城の活躍と帝国図書館の誕生/京都府集書院/新聞縦覧所の勃興と衰退/田中不二麻呂の公立書籍館設置の提言/公立図書館の増加と衰退/第一次・第二次教育令/文部省示諭/第三次教育令・諸学校通則・小学校令/大日本教育会の公立図書館設置運動/図書館令/日露戦争の勝利と戊申詔書/地方改良運動と通俗図書館建設/内務官僚・水野錬太郎の図書館効用論/内務官僚・井上友一の図書館観/小松原訓令/佐野友三郎の活躍/江戸の蔵書家の生き残り―文人たちの趣味会/林若樹/市島春城/青年団の読書運動/明治期のまとめ
 第二節 大正の図書館
 文部省の社会教育の強化/大正期の公共図書館数の増加/東京市立図書館/青年団図書館の村立化の問題点/日本図書館協会・文部省図書館員教習所/大正期のまとめ
 第三節 昭和戦前期の図書館
 図書館令改正への動き/改正図書館令の要点/図書館「附帯施設」論争/中央図書館制/「国民精神総動員」と図書館/読書会の「官製」化/昭和戦前期のまとめ
 第四節 昭和戦後期の図書館
 アメリカの初期対日占領方針とCIE/米国教育使節団の図書館改革勧告/CIE図書館/『函館市史』通史編四/図書館関係法の成立/図書館法の内容/『中小レポート』と『市民の図書館』/昭和戦後期のまとめ

終章 コミュニティとしての図書館の「復活」
日本図書館史の二つの潮流
マイクロ・ライブラリーと新しいコミュニティの場

おわりに
索 引(人名索引/書籍・新聞・雑誌名索引)
プロフィール

新藤透(しんどう・とおる)
1978年、埼玉県熊谷市生まれ。2006年、筑波大学大学院図書館情報メディア研究科博士後期課程修了。博士(学術)。現在、東北福祉大学教育学部准教授、(株)歴史と文化の研究所客員研究員。
図書館情報学、歴史学(日本近世史)専攻。
著書に、『図書館と江戸時代の人びと』(柏書房、2017年)がある。

書評・関連書等

・「河北新報」(2019年2月24日)「東北の本棚」に書評が掲載されました。
・「週刊 読書人」(2019年3月1日)に書評が掲載されました。(評者:小曽川真貴(認定司書))
・「東京新聞(中日新聞)」(2019年3月17日)に書評が掲載されました。
・「週刊 読書人」(2020年6月5日・8面)「図書館発!こんな本が面白い」に書評が掲載されました。(評者:横川昌代(図書館流通センター物流管理部お客さま係))

★広告情報
・「朝日新聞」(2019年2月9日)に5段12割広告を掲載しました。
・「読売新聞」(2019年2月19日)にサンヤツ広告を掲載しました。
・「産経新聞」(2019年2月21日)に5段1/2広告を掲載しました。

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