五街道の起点・日本橋には、江戸時代初期から多くの伊勢商人が進出した。今に続く鰹節販売の老舗〈にんべん〉を興した髙津家もそのうちの一つであった。
亨保改革期から田沼時代・寛政改革・文化期まで活躍し、320年の歴史の基礎を築いた
髙津家三代・四代当主の活動を克明に記した日記・文書、そして、その思想・人生哲学を伝える史料を初めて翻刻、解題・通釈を付して公刊。
資金繰り、相場の変動、雇用問題、家族の死、度重なる災害など、目まぐるしく変わる状況に彼らはいかに対応してきたのか―。
江戸に生きた商人・町人の暮らしを映し出す貴重資料。