パリ文壇にデビューし、初めて民間から起用された日本大使館の文化技術顧問として活躍したフランス留学時代。澁澤龍彦、横尾忠則など多くの若者たちが、その教えを乞いに、フランスの著者のもとに集まった。
マルローの東宮御進講を実現させ、筑波大学では「科学・技術と精神世界」という、研究者としてはタブーであった精神世界に踏み込んだ、国際学会を実現させる。
学問的には異端者と評されることもありがながら、自身の信念のもと、霊性の世界に真摯に対峙し続けた著者の、揺れ動く魂の軌跡をあますことなく書き上げる。
執行草舟、絶讃!
壮大な魂の叙事詩。
生涯を深奥世界のミステリー探索に賭した男の、勇気と、哀しみと、驚異に満ちた二十一世紀の黙示録。
執行草舟(『脱人間論』、『生くる』、『友よ』などの著者)
【第四巻あらすじ】
「コルドバからツクバへ」を標語に、筑波大学で壮大な「科学・技術と精神世界」国際会議を打ち上げるまでの悪戦苦闘の記録。
学徳ともに秀でた哲学者、湯浅泰雄博士との連帯で挑戦するも、仲間割れから三たび挫折の悲運に泣く。絶望的状況を京セラ社長稲盛和夫氏の助力により切り抜け、苦節三年ののち本懐をとげる。
その間、著者は、見えない世界への学問的架橋のプロセスが、そのまま自身の異界との交流のプロセスと不即離であると実感する。万事休すのどんづまりで、夢に老翁が二度顕現して吉兆を示してくれたこと、フランス取材班を連れて大神神社で一泊した夜に主祭神の顕現を見たことなどがそれで、ここから著者は更にヴィジョンの力を信じ、かつ幻視者としての自己の資質により目ざめていく。
【第四巻の主な登場人物】
湯浅泰雄(哲学者、筑波大教授)、松村栄子(芥川文学賞作家)、野々山真輝帆(スペイン文学、筑波大教授)、福田信之(筑波大学学長)、柴田周吉(三菱化成社長、筑波大学初代理事長)、村上和雄(分子生物学、筑波大教授)、小田晋(精神病理学、筑波大教授)、村松剛(文芸評論、筑波大教授)、大橋力(情報科学、芸能山城組)、中山和敬(大神神社宮司)、山本健造(福来心理学)、真鍋俊照(仏教美術学、真言宗権大僧正)、美輪明宏、村松英子(女優)、江崎玲於奈、村上陽一郎(科学史、東大教授)、本山博(超心理学、玉光神社宮司)、稲盛和夫(京セラ創業主)、森山信吾(資源エネルギー庁長官、第二電電初代社長)、井深大(ソニー創業者)、丸山敏秋(東洋思想、倫理研究所理事長)、デイヴィッド・ボーム(理論物理学、暗在系学説)、ユベール・リーヴス(天体物理学、仏CNRS)、アンドレ・ロス(仏外務次官、駐日大使)、堤清二(実業家、作家)、ミシェル・モントルレ(ラカン派哲学、パリ大学教授)、ラジャ・ラオ(インド人グルー、テキサス大学名誉教授)、池見酉次郎(心身医学、コルドバ会議参加)、伊藤俊太郎(科学史、東大教授)、ダリュシュ・シャエガン(パーレヴィ皇帝側近、イスラム神秘主義)、オリヴィエ・クレマン(カトリック・ギリシア正教神秘主義)、青木宏之(新体道創始師範)、石原慎太郎、ルネ・トム(カタストロフィ理論数学者)