ブンガクカラカンキョウヲカンガエルエコクリティシズムハンドブック

文学から環境を考える エコクリティシズムガイドブック(オンデマンド版)

小谷一明・巴山岳人・結城正美・豊里真弓・喜納育江 編
ISBN 978-4-585-89080-5 Cコード 0095
刊行年月 2023年1月 判型・製本 四六判・並製 384 頁
キーワード 思想,比較文学,近現代

定価:3,080円
(本体 2,800円) ポイント:84pt

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書籍の詳細
人間と自然・環境をめぐる問題を考えるため、いま、文学に、人文学に何が出来るのか

人類が現在抱えている環境問題は、従来の政治や経済、科学など人間中心の視点からだけでは解決することが出来ない。 環境と人間の関係を多角的にとらえるために、エコクリティシズムという新しい視点を導入し、人間と自然のこれまでの/これからのありかたを探る。作家の小説作品やインタビュー、国内外の研究状況をつたえる翻訳や論文、キーワード集など、多角的な構成によって文学・環境批評の可能性を伝えるガイドブック。

*『文学から環境を考える エコクリティシズムガイドブック』(ISBN:978-4-585-29080-3)(2008年8月刊行)のオンデマンド版となります。

 

 

目次
はじめに―日本のエコクリティシズム 結城正美

第1部 エコクリティシズムという射程
§掌編小説§ わたし、キティ カレン・テイ・ヤマシタ
§対  話§ 「わたし、キティ」をめぐって―カレン・テイ・ヤマシタとの対話 
管啓次郎×カレン・テイ・ヤマシタ
§インタビュー§ 文学と核の接触領域 林 京子
宮澤賢治とエコクリティシズム カレン・コリガン=テイラー
国立公園と荒野 芦澤一洋

第2部 「文学」から見つめ直す環境
日常と破壊―現代フランス文学における都市への視線をめぐる実験 塩塚秀一郎
災害文学の想像力―ハリケーン災害表象から見る都市・環境・テクノロジーの政治学 中垣恒太郎
「彼岸」なきハックのダンス・マカーブル―一九世紀進化思想の自然観とマーク・トウェイン 浜本隆三
自然への欲望と近代―大江健三郎による『同時代ゲーム』から『M/Tと森のフシギの物語』への書き換えと自然の位相の変化 芳賀浩一
〈怪物〉的なるものと人・自然・モノ―日本におけるメアリ・シェリー『フランケンシュタイン』の受容例から 中川僚子

第3部 「環境文学」で世界をつなぐ
文学と環境 ローレンス・ビュエル/ウルズラ・K・ハイザ/カレン・ソーンバー

第4部 キーワード30+1―より理解したいあなたへ
ウィルダネス 映画 エコクリティシズム/環境批評 エコフェミニズム(エコロジカル・フェミニズム) エコロジカル・アイデンティティ 汚染の言説 環境詩学 環境人文学 環境正義(環境的正義、環境公正、環境的公正) クィア・エコロジー/クィア・エコフェミニズム 交感 里山 写真と風景 進化論/ダーウィニズム 生態(生命)地域主義 生物多様性 先住民 ソーシャル・エコロジー ディープ・エコロジー/シャロー・エコロジー 動物 都市 土地倫理 人間中心主義/神人同型(同性)論 ネイチャーライティング 場所の感覚 パストラル 平成文学 ポストコロニアル・エコクリティシズム マンガ/アニメ ユートピア/ディストピア エコサイド文学

あとがき 小谷一明
索引
プロフィール

小谷一明(おだに・かずあき)
新潟県立大学准教授。英語圏文学、日本語文学を扱いながら、アメリカ西部表象や植民地主義と環境マイノリティの関係についてエコクリティシズムの観点から研究を行っている。
主な著書に、『越境するトポス―環境文学論序説』(共著、彩流社、2004年)、『変容するアメリカ研究のいま―文学・表象・文化をめぐって』(共著、ミネルヴァ書房、2007年)、『「場所」の詩学―環境文学とは何か』(共著、藤原書店、2008年)、『〈移動〉のアメリカ文化学—シリーズ・アメリカ文化を読む2』(共著、ミネルヴァ書房、2011年)などがある。

巴山岳人(はやま・がくと)
和歌山大学ほか非常勤講師。専門は20世紀の英国モダニズム文学を中心とした英文学、エコクリティシズム。特に文学表象における生物学 や進化論との関係性に関心がある。
主な著書に、『21世紀のD・H・ロレンス』(共著、国書刊行会、2015年刊行予定)、論文に、「科学と進化のイデオロギー―D・H・ロレンスとThe New Statesman」(『D・H・ロレンス研究』第18号、2008年)などがある。

結城正美(ゆうき・まさみ)
金沢大学教授。専門はエコクリティシズム、比較文学。
主な著書に、『水の音の記憶―エコクリティシズムの試み』(水声社、2010年)、『他火のほうへ―食と文学のインターフェイス』(水声社、2012年)、『越境するトポス―環境文学論序説』(共編著、彩流社、2004年)、『「場所」の詩学―環境文学とは何か』(共編著、藤原書店、2008年)、Literature and Art after “Fukushima” (共編著、Eb-Verlag、2014年)などがある。

豊里真弓(とよさと・まゆみ)
札幌大学教授。専門はマイノリティ作家による小説を中心とした20世紀アメリカ文学、エコクリティシズム。
主な論文に、「非近代への志向―梨木香歩『f植物園の巣穴』における身体性と異界」(『水声通信』33号、2010年)“Beyond the Satoyama Traditon: Unsettling Landscapes in the Writings of Morisaki Kazue and Nashiki Kaho”(POETICA No.80、2013年)などがある。

喜納育江(きな・いくえ)
琉球大学教授。専門はアメリカの女性文学、特にアメリカ先住民、チカーノ(ナ)を中心としたマイノリティの文学、ジェンダー研究、エコクリティシズム研究。
主な著書に、『〈故郷〉のトポロジー』(水声社、2011年)、論文に、「進化するエコ/フェミニズムとクイアエコフェミニズムの可能性」(『水声通信』33号、2010年)などがある。また、『沖縄ジェンダー学・第1巻・「伝統」へのアプローチ』(編著、大月書店、2014年)、『沖縄・ハワイ、コンタクト・ゾーンとしての島嶼』(共編著、彩流社、2010年)など、沖縄研究に関する著書もある。

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