愛する息子が自閉症だった。深い霧の中で光は見えるのか―
言葉が話せず、指を噛むという自傷行為を続ける息子。父親は様々な自閉症治療を試すが効果は見られない。
苦しみと絶望の中、父親は粘り強く息子と向き合う。
その祖母もまた、障がいを持つ夫と長男を持ち、文化大革命中の障がい者への差別や暴力という困難の中で、家族を支え続けてきた。
中国の大江健三郎とも言われる作家が実体験に基づき、苦難に満ちた十数年の道程を綴った感動のノンフィクション小説。
現在中国の世相と社会問題をリアルに描き出した受賞作。
『痛むだろう、指が』(原題:『疼痛吧指头』)は、中国の雑誌『収穫』の2017年長編小説特集に掲載され、同年の「ノンフィクション文学優秀作品ランキング」の2位に選出される。翌年、長江文芸出版社から単行本として出版され、同年10月に有名作家も多く受賞している「第三回施耐庵文学賞」も受賞。
現在、2023年春の公開を目指して映画化が進められている。