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性規範のもとで葛藤・苦悩する人々。男装を禁止されても止めず遠島に処された女、女装姿で貸金業を営み女に求婚した男、男同士の夫婦、陰間茶屋で男色に従事する美少年たち―。社会規範からの逸脱の実態を記録した事件史料を読み解く。第五章として、「セクシュアルマイノリティ研究の現在」の一章を増補し、装いを新たに刊行!*本書『江戸の異性装者たち』(ISBN:978-4-585-22198-2、2017年11月刊行)の増補改訂版です。
長島淳子(ながしま・あつこ)1954年埼玉県生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程後期満期退学。日本近世史、女性史専攻。博士(文学、早稲田大学、2005年)。国士舘大学非常勤講師。これまで早稲田大学、千葉大学、上智大学、川村学園女子大学、群馬大学大学院などで勤務。元総合女性史学会代表。主な著書に『幕藩制社会のジェンダー構造』(校倉書房、2006年)、『江戸の異性装者たち セクシュアルマイノリティの理解のために』(勉誠出版、2017年)、編著『女性労働の日本史 古代から現代まで』(勉誠出版、2019年)、共著『歴史のなかの家族と結婚』(森話社、2011年)、「近世農村の「家」経営と家族労働にみるジェンダー」(『ジェンダー史叢書6 経済と消費社会』(明石書店、2009年)、「日本近世における異性装の特徴とジェンダー」(『歴史のなかの異性装』アジア遊学、勉誠出版、2017年)、「高群逸枝の江戸時代史 詩人と歴史家の狭間で」(『高群逸枝 1894-1964 女性史の開拓者のコスモロジー』、別冊『環』26、藤原書店、2022年)、「多様な性のあった江戸時代」(『「ひと」とはだれか?―身体・セクシュアリティ・暴力』大阪大学出版会、2023年12月出版予定)ほか。