ソトカラミタエドジダイノショセキブンカ

外から見た江戸時代の書籍文化

写本・版本・在外書籍
ピーター・コーニツキー 著
ISBN 978-4-585-32067-8 Cコード 3020
刊行年月 2025年7月 判型・製本 A5判・並製 496 頁
キーワード 書物史,出版,近世

定価:9,900円
(本体 9,000円) ポイント:270pt

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書籍の詳細

江戸時代、女性の読書はどのように位置づけられていたのか。
近世初期に勃興した活字印刷は、なぜ、製版印刷に駆逐されたのか。
日本各地にのこるおびただしい数の写本は日本文化史のなかにどのように位置づけられるのか。
海外の図書館になぜ多量の日本書籍が所蔵されているのか、それはいつ持ってこられたのか。
日本の外からの視点を取り入れることで、日本における書籍文化の歴史がより鮮明に見えてくる。
日本の書籍文化史を海外からの視点で読み解き、学界をリードしてきたケンブリッジ大学名誉教授ピーター・コーニツキーによる日本書籍文化史講義!

 

 

目次
凡 例

序章 本書の視点―わたくしと日本書籍の研究

第一部 江戸前期―朝鮮本、活字本、女性読者
第一章 近世日本における朝鮮本
 はじめに
 一 文禄慶長の役
 二 江戸時代における朝鮮本の輸入
 三 江戸時代における朝鮮本の覆刻・転写
 むすび

第二章 古活字版の終焉
 はじめに
 一 東アジアにおける活字普及史概要
 二 江戸初期における古活字本と木版本との推移
 三 古活字版と訓点・振り仮名
 四 附訓活字本『諸疾禁好集』と梅壽の出版活動
 むすび

第三章 『源氏物語』・『伊勢物語』と江戸前期の女性読者
 はじめに
 一 写本から版本へ
 二 『源氏物語』と『伊勢物語』に対する批判
 三 『源氏物語』擁護
 四 女性の読書と『源氏物語』
 五 正当化まで
 六 世界史における類例
 むすび

第二部 写本の諸相
 第四章 写本と転写
 はじめに
 一 「写本」とは何か
 二 転写の諸相
 三 商売としての転写
 四 刊写本
 五 抜書き
 むすび

第五章 写本の類型
 はじめに
 一 写本の類型学
 二 写本の種類
 むすび

第六章 写本の蔵書と貸借
 はじめに
 一 個人蔵書家と写本
 二 写本の販売
 三 写本の貸借
 むすび

第七章 禁書の流布
 はじめに
 一 写本のパブリケーション
 二 実録
 三 『慶安太平記』の分布
 四 実録以外の禁書
 むすび

第八章 江戸時代の測量書と古銭書の写本
 はじめに
 一 測量書の系譜
 二 古銭書の系譜
 三 ヨーロッパ人と日本の古銭書
 むすび

第三部 海外に流れた日本書籍
第九章 日本書籍の海外流出―クラプロート旧蔵の日本書籍を中心に―
 はじめに
 一 東アジアへの日本書籍の海外流出
 二 ヨーロッパの日本書籍の海外流出
 三 クラプロートと日本
 四 クラプロート所蔵の日本書籍
 むすび

第一〇章 フィラデルフィアで刊行された『画本鶯宿梅』
 はじめに
 一 ペリー来航と日本の書籍
 二 アメリカ東方学会と日本
 三 『画本鶯宿梅』のフィラデルフィア版
 むすび

終章 明治文学になった江戸文学

資料紹介 『書物入出』(架蔵)

あとがき
初出一覧
索引(人名・書名)
プロフィール

ピーター・コーニツキー(Peter Kornicki)
1950年、イギリス、メイデンヘッド生まれ。オックスフォード大学大学院博士課程修了(D.Phil.)。2011年、オックスフォード大学文学博士(D.Litt.)取得。元ケンブリッジ大学東洋学部長。ケンブリッジ大学名誉教授。
専門は日本文化史。
主な著書に『海を渡った日本書籍 ヨーロッパへ、そして幕末・明治のロンドンで』(平凡社、2018年)などがある。

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