アジア遊学308
カガミトシテノニホンブンガク

鏡としての日本文学

交響する中日古典
張龍妹 編
ISBN 978-4-585-32554-3 Cコード 1390
刊行年月 2025年10月 判型・製本 A5判・並製 352 頁
キーワード 中古,中世,近代,近現代,中国,比較文学,文化史

定価:3,520円
(本体 3,200円) ポイント:96pt

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書籍の詳細
「国文学」を超えて――

日本文学を紐解くと、そこには中国文学の影響が少なからず散見される、それらを比較することは、中国古典の変容のあり方を発見することにつながり、さらに日本文学・文化の特徴を改めて見出すことになる。
お互いの国の文学を研究することで、それぞれが響きあい、自国の文学を学ぶことのみでは見いだせなかった新たな魅力、意義を知ることにつながる。
日本文学を研究する中国人研究者たち、そして長年中国で日本文学研究・教育に携わった日本人研究者たちによる古典文学の交響。
日本文学を「中国」という他者としての視座から再考し、「国文学」の本質を問い直す。

 

 

目次
[序文]鏡としての日本文学―交響する中日古典◉張龍妹

第1部 漢詩文と仮名文学
「徳」の文学と「あはれ」の文学◉張龍妹
回文和歌と「釈教歌」の水脈――「ながきよの とをのねぶりの みなめざめ」の謎を解く◉渡辺秀夫
「凌雲集序」再論――文体の視点から◉王格格
『扶桑集』部類項目再検討◉廖荣発
菅原定義勧学会詩序考◉李筱硯
『うつほ物語』俊蔭流離譚における「風」――神仙譚の視点から◉趙小菁
『源氏物語』大君物語における女性主体の叙述―「男せざりし人」型の脱構築◉馬如慧
日本史書における編年体の変容――『栄花物語』を考えるために◉彭溱
[コラム]平安文学における「身」の意識◉高木和子

第2部 説話文学と軍記物語
仏伝文学と龍の形象――『釈氏源流』を起点に◉小峯和明
仏典の「僧と美女」の物語の中日における伝播と変容◉趙季玉
説話文学に見る孔子とその弟子たち◉尤芳舟
『今昔物語集』と唐代伝奇における女盗賊の比較◉邱春泉
東アジアにおける「二十四孝」の資料整理と文字校正◉趙俊槐
『大倭二十四孝』における継母への孝行の欠如◉盧俊偉
『太平記』における中国謀士の武人化変容◉艾宇博
歴史はいかに語られるか――朝鮮軍記物における「美人殺し」逸話をめぐって◉覃思遠
[コラム]ミサキについて◉多田一臣

第3部 古典から近代へ
芥川龍之介『支那游記』に登場する「石黒政吉」とは誰なのか――南京督軍顧問多賀宗之宅に掛けた「田夫氏の画」の考察をかねて◉曲莉
古典をいかに再生すべきか――川端康成『古都』を読む◉岳遠坤
「国訳漢文大成」の白話小説日本語訳における「両文体」の応用◉蔡春暁
「伝統演劇」としての越劇の生成――宝塚歌劇との比較を通して◉劉嘉瑢
[コラム]張龍妹先生賛――回想『源氏物語の救済』が世に出た頃◉神野藤昭夫

編集後記◉李筱硯
日本文学との出会い――あとがきに代えて◉張龍妹
龍の妹に贈る――あとがきのあとがき◉小峯和明
プロフィール

張龍妹(ちょう・りゅうまい)
北京外国語大学北京日本学研究センター元教授。専門は『源氏物語』を中心とする平安仮名文学。
主な著書に『源氏物語の救済』(風間書房、2000年)、『日本文学 古典篇』(高等教育出版社、2008年)、『平安朝宮廷才女的散文体文学書写』(光明日報出版社、2021年)などがある。

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