センソウシャカイガクノコウソウ

戦争社会学の構想

制度・体験・メディア
福間良明・野上元・蘭信三・石原俊 編
ISBN 978-4-585-23020-5 Cコード 1031
刊行年月 2013年7月 判型・製本 A5判・上製 450 頁
キーワード 戦争,現代社会,社会学,アジア,世界史,日本史,近現代

定価:6,600円
(本体 6,000円) ポイント:180pt

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書籍の詳細
総力戦から〈新しい戦争〉まで

歴史学、軍事学、政治学、文化人類学、メディア研究などさまざまな学問分野の知見をとりこみ、新たな研究のフィールドを拓く。
「戦争と社会との関わり」および「戦争を駆動する力学」を問う戦争社会学の挑戦。

 

 

目次
はじめに―「戦争社会学」を構想するために

第Ⅰ部 「戦争」研究の系譜と社会学―歴史学の交差
第1章 戦争社会学と戦中派経験 森岡清美
第2章 戦争社会学への挑戦―日本近代を問う 青木秀男
第3章 戦争研究と軍隊研究―ミリタリー・ソシオロジーの展望と課題 高橋三郎
第4章 「戦争」研究と自分史―シンポジウム「『戦争』研究の視角―社会学と歴史学の交差」より 吉田裕
【コラム】満洲移民女性と戦時性暴力 猪股祐介

第Ⅱ部 「戦争」を社会学するための方法論
第5章 沖縄戦の後遺症とトラウマ的記憶 北村毅
第6章 満洲引揚者のライフヒストリー研究の可能性―歴史実践としての『下伊那のなかの満洲』 蘭信三
第7章 「戦争」をめぐる言説変容―体験論とメディアの力学 福間良明
第8章 消費社会の記述と冷戦の修辞 野上元
第9章 ジェンダーの視点から見る戦争・軍隊の社会学 佐藤文香
【コラム】〈「慰安婦」問題〉の輪郭 木下直子

第Ⅲ部 戦争の社会学/社会史の展開
第10章 ドイツ歴史学における戦争研究―戦争の経験史研究補遺 鈴木直志
第11章 「歴史学と社会学の交差」についての偶感 ―『戦争社会学ブックガイド』をめぐって 一ノ瀬俊也
第12章 帝国と冷戦の〈捨て石〉にされた島々―戦場から基地化・難民化へ 石原俊
第13章 ポイエティークとしての慰霊と戦跡―戦死者表象をめぐる社会学・人類学 粟津賢太
第14章 戦争の記憶と観光―グアムに見る戦争観光の三類型 山口誠
第15章 「新しい戦争」をどう考えるか―ハイブリッド安全保障論の視座 河野仁
【コラム】「文化遺産」と戦争をめぐる問い 木村至聖
プロフィール

福間良明(ふくま・よしあき)
1969年生まれ。立命館大学産業社会学部教授。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了、博士(人間・環境学)。専門は歴史社会学・メディア史。
主な著書に、『二・二六事件の幻影―戦後大衆文化とファシズムへの欲望』(筑摩書房、2013年)、『焦土の記憶―沖縄・広島・長崎に映る戦後』(新曜社、2011年)、『「戦争体験」の戦後史―世代・教養・イデオロギー』(中央公論新社、2009年)など。

野上元(のがみ・げん)
1971年生まれ。筑波大学人文社会系准教授。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了、博士(社会情報学)。専門は歴史社会学・戦争社会学。
主な著書に『戦争体験の社会学』(弘文堂、2006年)、『戦争社会学ブックガイド』(福間良明と共編、創元社、2012年)、『カルチュラル・ポリティクス1960 /70』(北田暁大・水溜真由美と共編、せりか書房、2005年)など。

蘭信三(あららぎ・しんぞう)
1954年生まれ。上智大学外国語学部教授。京都大学大学院文学研究科(社会学専修)博士後期課程中退。専門は国際社会学・歴史社会学。
主な著書に『中国残留日本人という経験』(編著、勉誠出版、2009年)、『「満州移民」の歴史社会学』(行路社、1994年)、論文に「戦後日本をめぐるひとの移動の特質―沖縄と本土の比較から」(安田常雄編『戦後日本社会の歴史4 社会の境界を生きる人びと』岩波書店、2013年)など。

石原俊(いしはら・しゅん)
1974年生まれ。明治学院大学社会学部准教授。京都大学大学院文学研究科(社会学専修)博士後期課程単位取得退学、博士(文学)。専門は歴史社会学・地域社会論・島嶼社会論。
主な著書に、『近代日本と小笠原諸島―移動民の島々と帝国』(平凡社、2007年)、『殺すこと/殺されることへの感度―二〇〇九年からみる日本社会のゆくえ』(東信堂、2010年)、論文に、「そこに社会があった―硫黄島の地上戦と〈島民〉たち」(『未来心理』15号、2009年)、「〈島〉をめぐる方法の苦闘―同時代史とわたりあう宮本常一」(『現代思想』39巻15号、2011年)など。

書評・関連書等

「フォーラム現代社会学」(第13号 2014)にて、本書の書評が掲載されました。(評者:谷富夫(甲南大学文学部社会学科))

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