チュウセイワカロン

中世和歌論

歌学と表現と歌人
中川博夫 著
ISBN 978-4-585-29199-2 Cコード 3092
刊行年月 2020年11月 判型・製本 A5判・上製 496 頁
キーワード 和歌,鎌倉,平安,中世

定価:13,200円
(本体 12,000円) ポイント:360pt

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書籍の詳細
和歌の学理と表現、それを担う歌人たちの営為は、どのような意識・観念のもとに展開していったのか―

和歌の史的蓄積を自らの歌学の中に位置づけ、後の和歌と勅撰集のあり方を方向づけた俊成や定家。
彼らの和歌観を直接・間接に選択・継承し、それぞれの和歌のあり方を模索していった為家や京極派。
王朝和歌から連なる中世和歌の史的変遷を丁寧に紐解き、個々の特質と連続性を多面的に明らかにする待望の一書。

 

 

目次
序 言

序 論
 1 中古「本歌取」言説史論
 2 本歌取説と実作の評価―定家の所説と秀歌撰歌をめぐって
 3 古注の言説と和歌の実作と現代の注釈と―「括る」か「潜る」か
 4 作意と解釈―『新古今集』の羈旅歌二首をめぐって

歌学論
 5 『新勅撰和歌集』序の理念
 6 『詠歌一体』論
 7 『遂加』の方法
 8 『越部禅尼消息』論

表現論
 9 中世和歌表現史論
 10 『土佐日記』の和歌の踪跡
 11 「空に知る」考
 12 「身を身」と「思ふ」考

京極派和歌各論
 13 「けしき」の様相
 14 「三日月」をよむ
 15 〈軒〉をとおして
 16 〈間〉にうかがう

歌人論
 17 西行の影響―『十訓抄』と関東歌人に見る
 18 臨終の俊成―「普賢品」を覚悟すること
 19 妻の死・母の死―俊成・定家と『源氏物語』
 20 治世の音・亡国の音―定家とその周辺

あとがき
初出一覧
索 引
プロフィール

中川博夫(なかがわ・ひろお)
1956年生まれ。鶴見大学文学部教授。専門は和歌文学。
主な論文に「鎌倉期関東歌壇の和歌―中世和歌表現史試論」(『中世文学』59、2014年)、「中世和歌表現史試論」(『国語と国文学』2016年)、「実朝を読み直す―藤原定家所伝本『金槐和歌集』抄」(渡部泰明編『源実朝―虚実を越えて』勉誠出版、2019年)などがある。

書評・関連書等

★書評・紹介★
「日本歴史」第885号・2022年2月号(2022年2月1日発行)に書評が掲載されました。
 →評者:兼築信行氏(早稲田大学文学学術院教授)

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