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日本にもたらされた中国の漢詩文、それを承けて平安朝の文人たちがつくりあげた日本の漢詩文、一方で万葉以来展開してきた和歌、これらが享受されていく歴史の交差点に成立したのが『和漢朗詠集』である。本書は『和漢朗詠集』の成立と享受を論じることにより、和の世界が有していた流れと漢の世界からもたらされた流れが交錯し、新しい流れが生み出されていく我が国の文化の創造の過程で現れた、一つの典型的な現象を明らかにしていく。増補・改訂により待望の復刊。
1954年和歌山県生まれ。大阪市立大学大学院博士後期課程単位取得満期退学。梅花女子大学文化表現学部日本文化学科教授。博士(文学)。専門は日中比較文学、平安朝文学。著書に『平安詩歌の展開と中国文学』(和泉書院、1999年)、『平安朝漢文学鉤沈』(和泉書院、2017年)、角川ソフィア文庫『和漢朗詠集現代語訳付き』(株式会社KADOKAWA、2013年)など。