歴史を「読む」ことの方法はどうあるべきか―
記紀批判、国民思想、中国思想、歴史教育等、多岐にわたる知の地平を切り開いてきた津田左右吉。
津田の死後、今に至るまでに、津田の学問、そしてその思想については、数多くの論がなされ、その知のあり方や手法は、さまざまに位置づけられてきた。しかし、そこに「読み違い」はなかっただろうか。
「史料」と「歴史」と。「事実史」と「思想史」と。そのあわいをいち早く捉え、人間を論じようとした津田左右吉を、あらためて、いま、読みなおすことから、「史料としての『日本書紀』」を問いなおす。
津田左右吉没後50年記念出版
*津田左右吉(つだ・そうきち)
日本史学者。1873(明治6)年、岐阜県(現在の美濃加茂市)生まれ。1961(昭和36)年、東京都武蔵野市にて没。
1891年、東京専門学校を卒業後、中学校教師・南満州鉄道株式会社(東京支社)歴史調査室勤務を経て早稲田大学教授(1920~1940)。1949年、文化勲章受章。
著書『日本古典の研究』、『文学に現はれたる国民思想の研究』など。没後、岩波書店から『津田左右吉全集』全三十三巻が編集、刊行された(第二次刊行時に補巻二巻を追加)。