カートは空です。
商品962/1135
私家版として刊行した作品集『アポロンの島』が島尾敏雄に賞揚され、作家として歩み始めた小川国夫。文体の理想を追求して『試みの岸』『或る聖書』を問い、『逸民』そして『悲しみの港』『ハシッシ・ギャング』に成熟を見せ、『弱い神』に到達する。自らの信じる言葉の力によって新たな芸術の創造を志した稀有の「文士」の生きる姿を、キリスト者としての思想も視野に、誕生から終焉まで余すところなく描く。
勝呂奏(すぐろ・すすむ)上智大学大学院文学研究科博士前期課程修了。桜美林大学リベラルアーツ学群准教授。専門は日本近現代文学。著書に『小川国夫文学の出発―『アポロンの島』―』(双文社出版、1993年7月)、 『正宗白鳥―明治世紀末の青春― 』(右文書院、1996年10月)、『荒野に呼ぶ声―小川国夫文学の樞奥―』(審美社、2000年7月)、『評伝芹沢光治良―同伴する作家(エクリバン)―』(翰林書房 、2008年9月)ほか。日本キリスト教文学会賞(2008年度)受賞。
・紀伊國屋書店さまの「書評空間」にて、本書の書評が掲載されました。(評者:阿部公彦(東京大学文学部))・「日本近代文学」第89集にて、本書の書評が掲載されました。