*国文学研究資料館蔵『榊原本 源氏物語』について
国文学研究資料館蔵の『源氏物語』十六帖は、鎌倉時代の書写本にして青表紙本の本文をもつ、希少かつ重要な古写本である(桐壺のみ三条西実隆筆の室町時代書写)。筆跡は鎌倉中期と推察され、鋭く筆力があり、暢達し堂々としたいわゆる後京極様につらなる筆跡であり、また、定家様の趣を看取できる興味深い例も存する。源氏物語大成の現存重要諸本にあげられた榊原本の再出現である。
列帖装。表紙は、藍・紫の内曇りを配した厚手の雁皮紙。金泥で各巻にちなむ絵が描かれている。現在の装丁・表紙は室町期以降に整えられたものであろう。表紙中央上部に題箋。本文料紙は雁皮紙。縦約16センチ、横約15センチ。
*こちらの商品は五分冊(分売不可)となっております。