ギョクヨウヲヨム

『玉葉』を読む

九条兼実とその時代
小原仁 編
ISBN 978-4-585-22047-3 Cコード 3021
刊行年月 2013年4月 判型・製本 A5判・上製 432 頁
キーワード 古典,日本史,鎌倉,中世

定価:8,800円
(本体 8,000円) ポイント:240pt

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書籍の詳細
漢文日記に古代・中世を探る

十二世紀後半から十三世紀にかけての歴史的大変革の時期を当事者の一人として生き抜いた九条兼実。
その兼実の残した日記『玉葉』はさまざまな事実や事件に関わる良質の情報に満ちた第一級の史料として高い評価が与えられてきた。そこには、平安末期から鎌倉初期における摂関家の実態や政治・宗教・文化への関わり、儀礼や学問のあり方など、多方面に資する重要な記事が数多く含まれている。
『玉葉』の記述を一字一句詳細に検討し、そこに描かれた歴史叙述を諸史料と対照することにより、九条兼実と九条家、そして同時代の公家社会の営みを立体的に描き出す。

 

 

目次
カラー口絵

序 言 小原仁

第一部 九条家と九条兼実
 九条兼実の願文をめぐるノート―寿永二年願文を中心に 小原仁
 九条兼実室「兼子」について 宮崎康充
 九条兼実の知行国について 菊池紳一
 [コラム]吉時について 稲元紘子
 鎌倉前期における朝幕交渉の形態的特質 甲斐玄洋
 藤原兼実と医家 高田義人
 九条家における基層的神祇信仰 三橋正
 九条兼実の読書生活―『素書』と『和漢朗詠集』 佐藤道生
 [コラム]甘摂政考―『玉葉』における藤原師家の呼称について 石塚賢治

第二部 『玉葉』に見る公家社会
 十二世紀における仁和寺法親王―守覚法親王登場の前史 柿島綾子
 興福寺への御願供養と料所寄進 高山京子
 叡山僧としての隆寛―九条家との関わりを中心に 中村文
 [コラム]院の近臣藤原光能―東国と通字に関連して 菊池紳一
 治承四年の新嘗祭と五節舞について 黒澤舞
 王家における后妃故実の蓄積とその意義―『玉葉』九条任子入内・立后関連記事を糸口として 山田彩起子
 藤原経宗の口伝―平家一門が学んだ公事・故実瞥見― 平藤幸
 [コラム]漢文日記の内面性を読む―藤原頼長『台記』を中心に ポール・シャロウ
プロフィール

小原仁(おばら・ひとし)
聖心女子大学文学部教授。専攻は古代~中世知識階層の思想と宗教。
著書に『文人貴族の系譜』(吉川弘文館、1987年)、『源信』(ミネルヴァ書房、2006年)、『中世貴族社会と仏教』(吉川弘文館、2007年)などがある。

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