アジア遊学166
レキシノナカノキンギンドウ

歴史のなかの金・銀・銅

鉱山文化の所産
竹田和夫 編
ISBN 978-4-585-22059-6 Cコード 1320
刊行年月 2013年7月 判型・製本 A5判・並製 208 頁
キーワード 交流史,西洋,アジア,日本史,近世,中世

定価:2,200円
(本体 2,000円) ポイント:60pt

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書籍の詳細
貴金属とそれらを産出した鉱山を、「鉱山文化」の視点でとらえなおす

従来、日本の金・銀・銅は、これらを産出した鉱山の歴史という視点から研究されてきた。
ところが近年では、ポトシ銀山や石見銀山などの世界遺産登録の動きにより、鉱山での技術・労働のみならず、周辺の環境や町並みを含めた広域社会システムや鉱山の文化的景観などの観点が重視されるようになってきた。
鉱山から産出された金属は、南米・アジア・ヨーロッパ、そしてアフリカ・インド・東南アジアを含めた広域にわたる貿易・流通・貨幣の素材として再評価されている。このような動向のなかで、アジアとりわけ日本の鉱山が社会に占めた位置は大きい。
本特集では、金・銀・銅とそれらを産出した鉱山を、技術・社会・経済をも包含した「鉱山文化」の視点でとらえなおすことを試みる。

 

 

目次
はじめに 竹田和夫

Ⅰ 金・銀・銅をめぐる文化交流史
武士を育んだ奥州の金 八重樫忠郎
鉛を食らう「銀の島」―日本の大航海時代の真実 飯沼賢司
銀のゆくえ―近世の広域的銀流通と中国 岸本美緒
江戸時代の出島オランダ商館における小判輸出 八百啓介
海域アジアにおける日本銅とオランダ東インド会社 島田竜登
佐渡の鉱山知とネットワーク形成―揚水と和算・振矩術 竹田和夫

Ⅱ 日本の鉱山と地域社会―生産・信仰・暮らし
長登銅山と古代社会 池田善文
石見銀山の文化とその基層 仲野義文
中近世の金山と社会・文化 萩原三雄
鉱山とその周辺における地域変容 原田洋一郎
鉱山絵巻から見る佐渡金銀山 渡部浩二
草倉銅山鉱夫の労働態様について 斎藤昭
鮑食禁忌伝承の変容―鉱物資源生産から俵物生産への転換のなかで 鈴木秋彦

Ⅲ 日本・アジア・ヨーロッパの鉱山文化―技術・環境・民俗
佐渡の鉱山文化―建築と町並み 黒野弘靖
中国雲南の鉱山文化―銅都・東川への旅 上田信
中世ヨーロッパの鉱山経営・技術革新・宗教 竹田和夫
プロフィール

竹田和夫(たけだ・かずお)
1960年生まれ。新潟県立新発田高校教諭。新潟大学非常勤講師(全学及び教育学部)。専門は比較文化史、歴史民俗学、接続教育学。
単著に『五山と中世の社会』(同成社、2007年)、編著に『古代中世の境界意識と文化交流』(勉誠出版、2011年)がある。
「生徒も教師もつなぐ『中高大の教育接続』の実践」が評価され、辰野千壽記念教育賞最優秀賞受賞(上越教育大学)。

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