カートは空です。
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明治・大正・昭和の激動の世紀に、日本人はいかに苦難と苦悩の道を歩み、希望をつないできたか。時代の証言として描く近代精神史。著者と同郷の篤志家であり、駿河銀行創業者となった人物の土着の信仰と思想、人生は、近代日本人の理想的典型であり、『人間の運命』という大伽藍の庭に建つべき銅像であった。参考作品「我入道」「信者」他、『人間の運命』関連エッセイを収める。
芹沢光治良(せりざわ・こうじろう)明治29年(1896)5月4日、沼津市我入道に生まれる。楊原小学校から県立沼津中学校、第一高等学校を経て、東京帝国大学経済学部に入学。在学中、高等文官試験に合格し、卒業後、農商務省に入ったが、官を辞してフランスに留学。滞在中結核に冒され、スイスで療養生活を送り、帰国後書いた「ブルジョア」が『改造』に当選して作家生活に入る。「巴里に死す」「サムライの末裔」でフランス友好国際大賞、代表作である大河小説「人間の運命」で芸術院賞を受賞。また、多年にわたるユネスコ運動の功績で勳三等瑞宝章を、さらに日仏文化交流の功労者としてフランス政府からコマンドール章を受ける。日本ペンクラブ会長、文芸家協会理事、ノーベル賞推薦委員、日本芸術院会員などを歴任。昭和55年(1980)沼津市名誉市民となる。89歳より「神の微笑」から始まる神シリーズ8冊を執筆。平成5年(1993)3月23日、東京都中野区東中野の自宅において逝去(享年96歳)。