「常識」に疑問符を投げつける「極端人」熊楠の思想を探る!
生と死、自己と他者、現実と夢、妄想と事実、正常と異常…。
日常の中の二項対立を越えて、熊楠が考え続けたものは何だったのか。
膨大に書かれ、残された記録の中から「夢」を巡る断片をつなぎ合わせ、いまなお驚きと斬新さを持ち続けるその哲学像を浮かび上がらせる。
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中沢新一 氏推薦
この研究は、南方熊楠の創造的な思考が、外的な現実と心の内的祖型とをつなぐ中間的な「通路(パサージュ)」でおこなわれたことを明らかにする。
その通路を開くのが夢であり、粘菌であり、仏教であり、熊楠は未来の学問のためにいくつもの創造的な通路を発見してくれたのである。
南方熊楠研究は本書をもって、新しい段階に入った。
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