シュウトダンペン

集と断片

類聚と編纂の日本文化
国文学研究資料館/コレージュ・ド・フランス日本学高等研究所 編
ISBN 978-4-585-29071-1 Cコード 3091
刊行年月 2014年5月 判型・製本 A5判・上製 416 頁
キーワード 文化史,古典,大正,明治,江戸,室町,鎌倉,平安,古代,近代,近世,中世,中古,上代

定価:8,800円
(本体 8,000円) ポイント:240pt

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書籍の詳細
連環する日本文化のかたち

『万葉集』をはじめ、日本の古典籍には「―集」という標題をもつ書物が大量にある。短い作品や断片(Fragment)を集成し、一つの著作や集(Collection)にまとめる手法は、日本文化の特筆すべき編成原理であるといえる。この類聚・編纂という行為は、一方では知を切り出し断片化していくことと表裏を為す。すなわち「断片」と「集」の相互連環が新たな知の体系を不断に創り出していくのである。
古代から近代にわたる知の再生産の営みに着目し、日本文化の特質を炙り出す。

 

 

目次
はじめに―集と断片という問題― 谷川惠一

Ⅰ 断片から集へ―再構成される時空―
「日記」と「歌」―平安仮名日記の「集」と「断片」― 今西祐一郎
断片としての集―『和漢朗詠集』をめぐって― 寺田澄江
断片の集積体―「古筆手鑑」という存在― 佐々木孝浩
『発心集』における集の再構成―一人称叙述をてがかりに― 千本英史
書状が編む合戦記―室町物語『鴉鷺合戦物語』の場合― 齋藤真麻理
野上弥生子日記の生成 ブリジット・ルフェーブル

Ⅱ 体系化される「知」―百科思想と類聚編纂―
知識の整理と形体化―比較論的観点から― クリスチャン・ジャコブ
日本中世禅僧による日本漢詩のアンソロジー 堀川貴司
近世日本の百科思想の芽生え―和漢三才図会の構成と出典の一考察― マティアス・ハイエク
百科思想の翻訳と転換―西周『百学連環』における専門化と体系化― 木戸雄一
「知」の編成と、個人全集という制度 和田博文
収集と収集家―ヨーロッパと日本における「書籍収集」― ジョゼフ・キブルツ

Ⅲ 断片のディスクール―きれはしに宿るもの―
百首歌を詠む内親王たち―式子内親王と月花門院― 田渕句美子
『建礼門院右京大夫集』における断片―題詠歌群の機能― ミシェル・ヴィエイヤール=バロン
断片としての「文」―西鶴と書簡体物語― ダニエル・ストリューヴ
近世遊歴絵師の日常と社会観―『江漢西遊日記』の断片から― 堀内アニック=美都
原稿用紙という断片―その来歴をめぐって― 宗像和重
日記と手紙に記された開国日本―フランス士官の滞日報告― 松崎碩子
コミュニケーション論から見た断片―近代文学における手紙の効用― 坂井セシル
断片の系譜―中野重治以前― 谷川惠一

連環する「集と断片」―宗教文献における発展と変遷― ジャン=ノエル・ロベール
あとがき
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