コウコガクホウカイ

考古学崩壊

前期旧石器捏造事件の深層
竹岡俊樹 著
ISBN 978-4-585-22091-6 Cコード 0021
刊行年月 2014年9月 判型・製本 A5判・上製 296 頁
キーワード 現代社会,古代,考古

定価:3,520円
(本体 3,200円) ポイント:96pt

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書籍の詳細
告発者が語る世紀の大失態とその日本的「解決」。そして考古学の現在

2000年11月に発覚した「神の手」藤村新一による旧石器捏造事件から14年、発覚に重要な役割を果たした「告発者」が当時の体験と膨大な資料から、事件の全貌を明らかにする。
なぜ学界は20年間にもわたってひとりの「超能力者」を信じてオカルト的説を論じたのか、その理由を岩宿遺跡発掘以来の旧石器時代研究史と当時の社会状況から解き明かす。
そして、今、再び、考古学協会による検証作業と考古学の現状を問う。
考古学関係者・ファン必読の書!

 

 

目次
第1章 前期旧石器時代研究の歴史
 前史
 芹沢長介の珪岩製前期旧石器の登場
 岡村道雄の研究
 藤村新一の登場
 座散乱木遺跡と馬場壇A遺跡の発掘
 東北旧石器文化研究所の活動

第2章 「藤村前期旧石器」を基礎とした「論」の形成
 賛同者たち
  芹沢長介/岡村道雄/鎌田俊昭/梶原洋/時代区分/安斎正人/佐藤宏之/松藤和人/加藤晋平/小林達雄
 反対者たち
  小田静夫/竹岡俊樹/角張淳一

第3章 捏造の発覚
 捏造発覚の経緯
 土の硬さと年代測定値
 「旧石器考古学」編集部への手紙
 二〇〇〇年頃の学界の状況
 毎日新聞によるスクープ

第4章 捏造発覚後の研究者たちの意見
 新聞に掲載された研究者の意見
 雑誌や本に掲載された研究者の意見
  松藤和人/小林達雄/岡村道雄/安斎正人/佐藤宏之/芹沢長介

第5章 日本考古学協会による検証作業
 前・中期旧石器問題調査研究特別委員会の発足
 「考古学のこころ」(戸沢充則)
 鎌田俊昭・鎌田洋の反省
 栗島義明の反省
 遺物・遺構についての解釈
 石器についての解釈
 遺跡・遺構の検証(第二作業部会)
 石器の検証(第一作業部会)
 安蒜政雄(第五作業部会長)のまとめ
 春成秀爾副会長の総括
小林達雄会長の総括
岡村道雄犯人説

第6章 藤村新一について
 超能力
 人物像
 考古学の実力
 芹沢長介と相沢忠洋にたいして
 裏の顔
 その後の藤村新一
 藤村新一とは何者か

第7章 問題のありか
 石器を見ること
 日本の旧石器時代研究史
  岩宿の発見
  芹沢長介の研究
  戸沢充則の研究
  石器の変遷とその解釈

第8章 それからのこと
 日本旧石器学会の設立
 批判の仕方―富山遺跡について
 新たな「前期旧石器」遺跡の発見

第9章 行政・マスコミ・町おこし
 行政と行政考古学
 行政と大学との関係
 マスコミと研究者
 町おこしとの結びつき
 学問の崩壊

あとがき
前期旧石器遺跡捏造関係の年表
参考文献
プロフィール

竹岡俊樹(たけおか・としき)
1950年京都府生まれ。明治大学史学地理学科卒業、東京教育大学日本史学科修士課程卒業、筑波大学歴史人類学研究科博士課程単位取得退学、パリ第6大学(ピエールとマリーキューリー大学)第4紀地質学博士課程修了。パリ第6大学博士。
現職共立女子大学非常勤講師。

書評・関連書等

・「朝日新聞」(2014年11月16日)にて、本書の書評が掲載されました。(評者:本郷和人(東京大学史料編纂所教授))
・「朝日新聞(夕刊)」(2014年12月8日)にて、本書の紹介文が掲載されました。
・「朝日新聞」(2014年12月28日)にて、本書の書評が掲載されました。(評者:本郷和人(東京大学史料編纂所教授))
・「読売新聞」(2015年5月10日)の「空想書店」にて、本書の紹介文が掲載されました。(評者:大村幸弘(中近東文化センター付属アナトリア考古学研究所))

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