世界に誇る白眉の書物を原寸原色で初公開
第三代日本司教セルケイラ(Luis Cerqueira)が編んだ洗礼・告解・聖餐・婚姻・終油の秘跡の執行手引き書で、台本としてのト書きと台詞を朱墨で記し分けた本邦初の二色刷り、且つ聖歌にネウマ譜を並記した本邦初の五線紙楽譜印刷として夙に名高い。用語はラテン語を原則とするが、死期の迫る信者のためにポルトガル語・日本語代替文も備える。四折本(quarto)一冊。東洋文庫本は現存十本中の一で、今回が初の複製出版。
本文・ネウマの朱墨重ね摺りの順序などに就いての顕微鏡観察に基づく詳細な書誌解説を付す。
【本シリーズの特長】
・国際的な東洋学の研究拠点として名高い「公益財団法人 東洋文庫」所蔵の国宝5点、重要文化財6点を含む貴重古典籍全16点を、全12巻にわたって全編フルカラー原寸で影印。
・対象典籍の全編フルカラー影印は史上初。これまでに全編が公開されることのなかった典籍を多く含んでおり、今後の研究の基礎図書となるものである。
・高精細な製版・印刷により、原本の質感を再現。筆致や書入、訓点までもが仔細に観察できる。紙背の墨付も全て影印。
・古典籍に通暁した石塚晴通(北海道大学名誉教授)・小助川貞次(富山大学教授)・豊島正之(上智大学教授)・會谷佳光(東洋文庫図書部課長)による解題を収載。新知見を盛り込み、歴史的・文化的位置づけを明らかにする。