聞きやすい日本語を話すには、どこで「ポーズ」(間)を入れるかが重要である。
しかし、これまで言語学、音声学、さらに日本語教育の分野でも、談話のポーズに注目した研究は少ない。
本書は、ポーズに焦点をあて、談話(スピーチ、プレゼンテーション、インタビュー)ごとに異なる「ポーズの規範」を提示している。
音声学の分野では、話しことばの中でも未開拓であるポーズ論の発展に寄与貢献しており、言語学の分野では、書きことばから生まれた「構文構造」と、話しことばから生まれた「ポーズ」の関係を解明することにより、両者の橋渡し的な役目を担う。
さらに、日本語学習者が短時間ポーズの練習をするだけで、聞きやすいと評価されるようになることを示し、日本語教育学の分野にインパクトを与えている。現場の教師にとっては指導書の役目も果たす一冊。