世界に誇る白眉の書物を原寸原色で初公開
節用集「伊勢本」類に属する一本で、「堺本」とも。版本節用集としては最古の天正18年(1590)の年紀を持ち、しかも版の一部は天正を更に遡ると見るのが通説。(震災などで他本が滅び)現存は本書のみの孤本。二冊。
往時の所蔵者による少なからぬ書き込みがあるが、今回の初の全面カラー複製により、それらと印行された文字との判別は、より容易になるであろう。
【本シリーズの特長】
・国際的な東洋学の研究拠点として名高い「公益財団法人 東洋文庫」所蔵の国宝5点、重要文化財6点を含む貴重古典籍全16点を、全12巻にわたって全編フルカラー原寸で影印。
・対象典籍の全編フルカラー影印は史上初。これまでに全編が公開されることのなかった典籍を多く含んでおり、今後の研究の基礎図書となるものである。
・高精細な製版・印刷により、原本の質感を再現。筆致や書入、訓点までもが仔細に観察できる。紙背の墨付も全て影印。
・古典籍に通暁した石塚晴通(北海道大学名誉教授)・小助川貞次(富山大学教授)・豊島正之(上智大学教授)・會谷佳光(東洋文庫図書部課長)による解題を収載。新知見を盛り込み、歴史的・文化的位置づけを明らかにする。