「渋沢栄一の伝記を作るよりも伝記資料の組織的蒐集を」
「日本にも近世以来の産業発展の歴史を語る博物館の建設を」
個人の伝記資料集としては世界有数の存在である『渋沢栄一伝記資料』全68巻は、渋沢敬三の発意と財政的支援とによって編纂が進められた。また敬三は、近世から近代の産業の発展の経過を物語る実業史博物館を構想し、その創設を図っていた。これらの事業は、竜門社(現・渋沢栄一記念財団)を通じて行われた。
当事者の日記や竜門社の諸資料を精査、社史・実業史研究、アーカイブ構築の知見に満ちた渋沢敬三の人間像を浮き彫りにする。