ジエンホウラクワカロンコウ

慈円法楽和歌論考

石川一 著
ISBN 978-4-585-29105-3 Cコード 3095
刊行年月 2015年10月 判型・製本 A5判・上製 560 頁
キーワード 和歌,中世

定価:13,200円
(本体 12,000円) ポイント:360pt

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書籍の詳細
慈円における「法楽」の意味を探求する―

建暦・建保期から承久期にかけて集中する諸社法楽百首群。それら法楽百首全体に通底する「法楽」の意味を明確にし、「法華要文百首」における詠歌方法やその法楽百首に内包する法楽意図を論ずる。
一方で、釈教歌の沿革からその内包する文学性を考究し、どのように「法楽和歌」内容が変化し、文学性をいかにして獲得するようになったのかを探求。
また、慈円歌における西行という存在についても考察する。


※慈円 (1155~1225)
鎌倉初期の天台宗の僧。関白藤原忠通の子。九条兼実の弟。諡は慈鎮。四度、天台座主となり、歌人としても名をなした。著作に「愚管抄」、家集に「拾玉集」など。

※法楽和歌
神仏を楽しませるために社寺に奉納する和歌

 

 

目次
緒 言

総 論 歴史認識と「派生」

第一篇 諸社法楽百首群の世界
第一章 法楽和歌の盛行―慈円法楽百首群を中心に
第二章 法楽百首の「基底」―愚管抄・自筆願文・拾玉集などの整理を通して
第三章 慈円「法華要文百首」の詠歌方法
第四章 釈教歌における和歌的文学性について―西行・俊成を経て慈円に至る法華経廿八品歌を中心に
第五章 五島美術館蔵『詠法華経廿八品和謌』考
第六章 慈円の「性」についての考察
第七章 『慈鎮和尚夢想記』と『慈円消息』に関する考察

第二篇 慈円歌の位相
第一章 慈円歌における西行歌の投影
第二章 「二見浦百首」作者の再吟味―『御裳濯和歌集』『二見浦百首拾遺』の関係を焦点として
第三章 西行周辺の人物考証―「二見浦百首」作者のこと
 付. 「二見浦百首」作者のこと(補足)―長方そして作者構成に及ぶ
第四章 西行『諸社十二巻歌合』の再吟味―『伊勢瀧原社十七番歌合』所収歌の分析を通して
第五章 九条家の仏事についての考察―『南北百番歌合』成立の背景を照準として
第六章 『南北百番歌合』序・跋の再検討―良経の果たした役割をめぐって
第七章 『慈鎮和尚自歌合』再考
第八章 日吉社縁起に関する歌の考察
第九章 慈円『建保四年仙洞百首』の考察―「秀歌百首草」からの精選過程を中心に

第三篇 「特殊題」百首の詠歌方法
第一章 慈円における結題の詠歌方法(一)―『文治三年句題百首』を中心に
第二章 慈円における結題の詠歌方法(二)―結題の影響とその後の方向性をめぐって ・第三章 慈円「勒句百首」の考察(一)―歌題選定を中心に
第四章 慈円「勒句百首」の考察(二)―速詠作品検証の一環として
第五章 慈円「仙洞句題五十首」の考察
第六章 慈円「百首句題」の考察

資料篇 宮内庁書陵部蔵『法華要文百首和哥』翻刻
結 語
索引
プロフィール

石川一(いしかわ・はじめ)
早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(文学)。県立広島大学名誉教授、奈良大学文学部国文学科教授。専門は中世和歌。
著書に『七巻本拾玉集(架蔵翻)翻刻』(共著、渓水社、1993 年)、『慈円和歌論考』(笠間書院、1998 年)、『拾玉集本文整定稿』(勉誠社、1999年)、『(旧多度津藩家老)林家所蔵文化財図録』(単編著、ぺりかん社、2003 年)、『拾玉集(上・下)』和歌文学大系(共著、明治書院、2011 年)、『後京極殿御自歌合・慈鎮和尚自歌合全注釈』(共著、勉誠出版、2011 年)他がある。

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