いかにして正しく古典を読むか―
古来、中国ではその思想の根幹たる経書テキストを考究する動きが盛んであった。
漢代以来、各時代状況において様々な学問思潮が消長するなか、清代にいたり、経書テキストを歴史的対象として考証せんとする動きが生まれてきた。
古典を実証的に解明するためには、そこに記された文字、それが示す言葉、その発音と意味との関係性を明らかにせねばならない。
古代における音韻体系の把握から経書テクストの読みの刷新を目指した、戴震・段玉裁・王念孫らによる「古音学」の歴史と方法を精緻に論じる画期的成果。