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谷崎潤一郎 中国体験と物語の力

千葉俊二・銭暁波 編
ISBN 978-4-585-22666-6 Cコード 1395
刊行年月 2016年8月 判型・製本 A5判・並製 208 頁
キーワード 比較文学,昭和,大正,近現代

定価:2,200円
(本体 2,000円) ポイント:60pt

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書籍の詳細
谷崎潤一郎生誕130年!

中国を旅した谷崎潤一郎は、そこで何を見たのか、どんな影響を受けたのか、そしてそれをどのような物語として表現したのか。
体験と表象の両面から、中国、上海と創作の関わりを考察。
日本、中国、欧米の研究者による論考を掲載し、世界の読者が読む谷崎の世界を提示する。

 

 

目次
はじめに 千葉俊二
Ⅰ 物語の力
座談会 物語の力―上海の谷崎潤一郎 千葉俊二×銭暁波×日高佳紀×秦剛
物語る力―谷崎潤一郎の物語方法 千葉俊二
文学モデルとしての推理小説―谷崎潤一郎の場合  アンヌ・バヤール=坂井

Ⅱ 中国体験と物語
「お伽噺」としての谷崎文学―「オリエンタリズム」批判再考 清水良典
陰翳礼讃の端緒としての「西湖の月」 山口政幸
十年一覚揚州夢―谷崎潤一郎「鶴唳」論  林茜茜
「隠逸思想」に隠れる分身の物語―『鶴唳』論  銭暁波
谷崎潤一郎と田漢―書物・映画・翻訳を媒介とした出会いと交流  秦剛

Ⅲ 物語の変容―中国旅行前後
『嘆きの門』から『痴人の愛』へ―谷崎潤一郎・中国旅行前後の都市表象の変容 日高佳紀
都市空間の物語―横浜と『痴人の愛』  ルイーザ・ビエナーティ
「卍」の幾何学  スティーヴン・リジリー
『アラビアン・ナイト』から〈歌〉へ―「蓼喰ふ蟲」の成立前後 細川光洋
放浪するプリンスたちと毀損された物語―〈話の筋〉論争から「谷崎源氏」、そして村上春樹「海辺のカフカ」へ 西野厚志

Ⅳ 可能性としての物語
谷崎潤一郎における異界憧憬 明里千章
谷崎文学における「盲目」と美学の変貌―『春琴抄』を中心に 鄒波
表象空間としてのふるさと―谷崎が見た昭和初期の東京・『芸談』を視座として
ガラ・マリア・フォッラコ
愛を分かち合う―『夢の浮橋』における非オイディプス
ジョルジョ・アミトラーノ
谷崎潤一郎『人魚の嘆き』の刊行について 田鎖数馬

あとがき 日高佳紀

特別寄稿
熱血青年から中国近代憲政思想と実践の先駆者へ―宋教仁の東京歳月への一考察 徐静波
プロフィール

千葉俊二(ちば・しゅんじ)
早稲田大学教育学部・総合科学学術院教授。専門は日本近代文学。
主な著書に、『物語の法則 岡本綺堂と谷崎潤一郎』(青蛙房、2012年)、『物語のモラル 谷崎潤一郎・寺田寅彦など』(青蛙房、2012年)などがある。

銭暁波(せん・ぎょうは)
東華大学外語学院准教授。専門は日本近代文学、日中比較文学。
主な著書・論文に『日本と中国の新感覚派文学に関する比較研究:ポール・モーラン、横光利一、劉吶鴎、穆時英を中心に』(上海交通大学出版社、2013年)、「ポール・モーランの芸術の本質に関する論争―『夜ひらく』を中心に」(『言語と交流』第16号、2013年7月)、「若き荷風と中国―『上海紀行』における漢詩表現に関する一考察」(『和漢比較文学』第52号、2014年2月)などがある。

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