近世日本において、異国文化が最初に胎動する地、長崎―
中央の人々の強い関心を集めたこの異文化交流の舞台は、日本の文化的発展を支えた一級の人材を数多く輩出し、また、当地を経由して多くの人々が世にその才を活かすこととなった。
『長崎先民伝』は、儒学・天文暦学・医学・通訳などさまざまな分野にわたり活躍した、当地に所縁のある人々総勢147人の来歴を、他書に見られない逸話とともに紹介する近世文化史研究における基礎的かつ最重要の資料である。
書き下し本文に詳細な注解、影印、校異を付し、作者をめぐる学問状況、人的ネットワークを伝える2点の関連する稀覯資料も全編影印掲載した決定版。