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古来、文物・ひとを往還させる道であると同時にシステムでもあった、シルクロード。 西域の文物が、シルクロードをたどり日本にもたらされた現象と過程を、 運ぶ・所蔵する・記すなどの営みから見直すと、そこにはどのような意義が見出されるだろうか。 さまざまな領域の知見から描き出したときに立ち現れる、東西の文化の融合と展開のありようについて、 それを媒介する「道」―シルクロード―の意義とともに確認する。
荒木浩(あらき・ひろし)国際日本文化研究センター教授・総合研究大学院大学教授。専門は日本古典文学。主な著書に『説話集の構想と意匠―今昔物語集の成立と前後』(勉誠出版、2012年)、『かくして『源氏物語』が誕生する―物語が流動する現場にどう立ち会うか』(笠間書院、2014年)、『中世の随筆―成立・展開と文体』(編著、竹林舎、2014年)、『夢見る日本文化のパラダイム』(編著、法藏館、2015年)、『徒然草への途―中世びとの心とことば』(勉誠出版、2016年)などがある。近本謙介(ちかもと・けんすけ)名古屋大学准教授。専門は中世宗教文芸。主な編著書に『春日権現験記絵注解』(神戸説話研究会編、和泉書院、2005年・2014年改訂重版)、『日光天海蔵 直談因縁集 翻刻と索引』(廣田哲通・阿部泰郎・田中貴子・小林直樹との共編著、和泉書院、1998年)、論文に「南都における浄土信仰の位相―貞慶と『春日権現験記絵』をめぐって」(『國語と國文学』〈中世文学と信仰〉九二巻五号、2015年)などがある。李銘敬(り・めいけい)中国人民大学教授。文学博士。専門は日本中古中世説話文学・中日仏教文学。主な著書・論文に『日本仏教説話集の源流』(勉誠出版、2007年)、「日本古典文芸にみる玄奘三蔵の渡天説話」(『東アジアにおける旅の表象』アジア遊学182号、2015年)などがある。