平川祐弘決定版著作集33
ショモツノコエ レキシノコエ

書物の声 歴史の声

平川祐弘 著
ISBN 978-4-585-29433-7 Cコード 0095
刊行年月 2017年10月 判型・製本 A5判・上製 672 頁
キーワード 思想,近現代

定価:8,800円
(本体 8,000円) ポイント:240pt

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書籍の詳細
「人生は短い。人はどんどん死んでいる。そんなつまらぬ本を読んでどうする」
そう言って憚らぬ著者が、戦前・戦後の懐かしい書物を語り、歴史の裏表にふれる。
学際的・国際的に活躍した平川の随筆は反大勢(ハンタイセイ)的で「偏見」まで面白い。
初版本未収録の記事二百余点がこの決定版第三十三巻に新たに加えられる。

書物の声を聴くとは、歴史の声を聴くことである。複数の言葉を学び、複数の書物を読めば、たとえば『毛沢東語録』しか読まない人と違って、人の道を踏み違えることも少なかろう。また日本と西洋と非西洋の三点測量を行なえば、たとえば『朝日新聞』しか購読しない人と違って、世界の中の日本が進む道を間違えることが少なかろう。言ってみればこうした当り前のことを、著者平川ははっきりと言う。時間と空間を自在に旅する著者は、日本の閉ざされた言論空間の壁の外へ出る。言論の自由を守るとはそんなタブーとしての「政治的公正」political correctnessを破ることではあるまいか。

 

 

目次
第一部 書物の声 歴史の声
 Ⅰ 書物と私
 Ⅱ 東大駒場学派
 Ⅲ 日本語空間の外へ―文化の三点測量

第二部 伏字のない世界
 異人・偉人・国士・大学者―渡部昇一の思い出
 「正道」示した渡部昇一氏を悼む
 弥次郎兵衛
 にしひがし
 変化球
 春夏秋冬
 七十五字で書くエッセイ
 座標
 ニッポン人の忘れ物
 日曜論壇

平川先生は現代の横井小楠ではないのか 井上智重
私達への贈り物 小熊道郎
著作集第三十三巻に寄せて―井上智重さんと私― 平川祐弘
プロフィール

平川祐弘(ひらかわ・すけひろ)
1931(昭和6)年生まれ。東京大学名誉教授。比較文化史家。第一高等学校一年を経て東京大学教養学部教養学科卒業。仏、独、英、伊に留学し、東京大学教養学部に勤務。1992年定年退官。その前後、北米、フランス、中国、台湾などでも教壇に立つ。
ダンテ『神曲』の翻訳で河出文化賞(1967年)、『小泉八雲―西洋脱出の夢』『東の橘 西のオレンジ』でサントリー学芸賞(1981年)、マンゾーニ『いいなづけ』の翻訳で読売文学賞(1991年)、鷗外・漱石・諭吉などの明治日本の研究で明治村賞(1998年)、『ラフカディオ・ハーン―植民地化・キリスト教化・文明開化』で和辻哲郎文化賞(2005年)、『アーサー・ウェイリー―『源氏物語』の翻訳者』で日本エッセイスト・クラブ賞(2009年)、『西洋人の神道観―日本人のアイデンティティーを求めて』で蓮如賞(2015年)を受賞。
『ルネサンスの詩』『和魂洋才の系譜』以下の著書は本著作集に収録。他に翻訳として小泉八雲『心』『骨董・怪談』、ボッカッチョ『デカメロン』、マンゾーニ『いいなづけ』、英語で書かれた主著にJapan's Love-hate Relationship With The West(Global Oriental, 後にBrill)、またフランス語で書かれた著書にA la recherche de l'identité japonaise-le shintō interprété par les écrivains européens(L'Harmattan)などがある。

書評・関連書等

「産経新聞」(2018年12月23日)に本書の書評が掲載されました。(評者:花田紀凱(月刊『Hanada』編集長))

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